あざみ野から路線延伸か 高速鉄道3号線 調査進む
横浜市内の鉄道網整備について検討を続けてきた市は先月17日、高速鉄道3号線の延伸(横浜市営地下鉄あざみ野〜小田急線新百合ヶ丘駅間)を「優先度の高い路線」と位置づけ、事業化に向けて取り組むことを発表した。2014年度予算案に調査費として約3000万円を計上している。
市は鉄道を軸とした交通体系について検討するため、鉄道やまちづくり分野の有識者などで構成する「次世代の総合的な交通体系検討会」を11年12月に設置。今年1月まで5回の協議を行い、未着手路線だった「高速鉄道3号線の延伸」や「横浜環状鉄道」の整備などについて、今後の鉄道ネットワークに関する報告書をまとめた。
報告書の中で「優先度の高い路線」とされたあざみ野〜新百合ヶ丘間は現在、路線バスの利用で約30分。電車だと乗換が2回必要となっているが、整備後は約10分と乗車時間が短縮する。さらに、横浜都心のみなとみらい地区や新幹線が停車する新横浜駅へ、新百合ヶ丘駅から乗換なしでのアクセスが可能になるなど利便性が向上する。
市は1日の平均利用者を4万5千〜5万3千人とし、現在の相鉄いずみ野線と同規模になると見込んでいる。また用地取得や工事の事業費が約1300〜1500億円とした上で、23〜31年目で黒字に転換すると試算した。
すすき野付近も対象に
路線の延伸については「すすき野付近」も対象となっている。大規模なすすき野団地がある同エリアは団地住民の高齢化が進み、商店街もシャッター通りになるなど問題を抱えている地域。すすき野商店会の林秋雄会長は「周辺に駅ができれば、まちの活性化にもつながると思うので嬉しい」と期待を寄せる。
市都市整備局によると、事業中の神奈川東部方面線(相鉄・JR直通線「西谷〜羽沢、相鉄・東急直通線「羽沢〜日吉」)の進捗状況を踏まえて、高速鉄道3号線延伸の事業化に取り組むとしている。新年度から測量や横浜市内の地質確認など基礎調査を進めていく方針だ。
同局の隈元幸治都市交通課長は3号線の延伸について「横浜市の単独でできる問題ではない」とした上で、「今後は川崎市とも調整を進めながら事業化に向けて取り組んでいきたい」と話している。
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