柔道の高校総体、全日本ジュニアで優勝し、世界ジュニア選手権の代表に選ばれた 嶺井 美穂さん 桐蔭学園高校2年 17歳
一つひとつに気持ち込め
○…高校総体に続き、20人が出場した9月14日の全日本ジュニア柔道を制し、63キロ級で自身初のダブル覇者に。10月、米フロリダ州で行われる世界ジュニア選手権の代表に選ばれた。「高2で行けるのは嬉しい。外国人のパワーに対抗できるよう、戦い方を考えてしっかり準備したい」。初の世界戦を前に、気負いはない。
○…「今までで一番よかった」という総体から1カ月。「これで負けたら、夏がまぐれだったって言われるのかな」。そんな不安もよぎる中、「勝ちたい気持ちが出すぎて、守りに入ってしまった」という全日本。初戦から接戦が続き、決勝まで4戦とも4分間フルを戦い抜いた。全試合を時間いっぱい戦うのは、技を決めて試合を終えていた自分にとって未知の領域だった。「苦しい中で粘り強く戦えたことは貴重な経験」。確かな成長を実感した瞬間だ。
○…「柔道向きの骨格」と祖父の見立てもあり、5歳のとき地元の柔道クラブへ。かけ持ちで水泳や陸上、バレーボールなど多種目を経験。柔道は「嫌いだった」と笑うが、小学5、6年生になると全国大会にも出場。「勝ちたいから、もっと練習して強くなりたい」。その一心で、中学では厳しい部活動に没頭してきた。中3の春、桐蔭学園柔道部の練習に参加し、雰囲気に惹かれて入学を決意。「短時間で質の高さを求められる世界」に身を投じた。「泣いてばかりだった」当初、課題の精神面を克服するきっかけが、中1から毎年2位をキープしていた全国大会で今春ベスト8止まりだったことだ。感情を出さず冷静さを保てるよう努力を重ね、勝負強さを体得した。
○…寮生活の傍ら、休みの日は部活仲間と食事に出かけたり、クッキーやスコーンなど手作りお菓子をふるまう「女子」の一面も。「いろんなことを学べて、仲間と関われる今の環境に感謝」。夢は2年後のリオと、東京五輪だ。一つひとつの出来事と実直に向き合い、「柔」の道を突き進む。
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