ウズラの卵を包み込んだ、たまプラーザの名物コロッケ「たまプライ」。地元住民から親しまれてきたコロッケを売り出してきた「肉の荒井屋」が今年3月に閉店し、有志5人の住民グループが復活させようと動いている。29日には「たまプライ大復活祭」が行われ、同地区で懐かしの味を喜ぶ声があがった。
「揚げたてホクホクで最高。昔食べたので懐かしい」。たまプライを口にした、地元店、アロウ靴店の横山紀美子さんは笑顔を見せた。
復活祭は「たまプライ復活委員会」が主催。委員長の飯干(いいぼし)順正(じゅんせい)さん(32)は、学生時代からたまプライのファンで昔から通っていたという。張り紙で荒井屋の閉店を知り、残念に思っていたころ、地域イベントをきっかけに「たまプライをお店で出したい」という仲間と知り合った。町興しに一役買えればと、有志で委員会を9月に発足させ、イベント開催にこぎつけた。
当日は新石川のクラーク記念国際高校など4会場で販売し、1日限定で荒井屋の味をよみがえらせた。
創業20年機に誕生
たまプライは1978年創業の荒井屋、田中孝司さん(72)が肉屋ならではの製法で手作りしてきた。17年ほど前、創業20周年を記念して「何か地元名物を」と、家族でアイデアを出し合って開発。地名のたまプラーザとフライをもじった名称になった。
97年、テレビ東京の番組「出没! アド街ック天国」で紹介されたのをきっかけに、売り切れが続く人気商品に。その後も地元名物としてメディアで取り上げられ、親しまれてきた。
しかし、今年3月に田中さんが交通事故に遭い、後遺症で営業が続けられなくなった。今回の企画が同店に持ち込まれたのは、それから約半年後だ。「店を閉めてしまっても、若い人が地域のために一生懸命やってくれる。幸せですね」と田中さんは目を細める。
今後、委員会は商店会等と協力し、たまプライを継続販売する道を模索する。ご当地名物として広めるために、活動を続けていく。
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