もともといる生物の生態環境を守ろうと、1月23日に行われたもえぎ野公園ため池のかいぼり(水抜き)。青葉土木事務所は、その際に捕獲した生物の集計を行い、外来生物の増加によりため池の生態系に影響が出ていることを明らかにした。
土木事務所では調査結果をうけ「外来種の食害により在来種のモツゴなどの小さな魚類が著しく減少し、カワセミの飛来減少など生態系の変化につながった」としている。今後は生き物の放流禁止を訴える看板を設置するなど、啓発を強めていく。担当者は「もともとの環境は手を入れて守っていくもの。自宅で飼育しているカメや魚などを池に放すことはしないでほしい」と呼びかけている。
今回、捕獲した外来生物はブラックバス92匹、ブルーギル384匹、ミシシッピーアカミミガメ3匹、コイ13匹、錦鯉3匹、金魚2匹、ヘラブナ75匹、カワリヌマエビ属5匹、アメリカザリガニ6匹、ニゴイ1匹で、合計584匹となった。在来生物はトウヨシノボリ6匹、テナガエビ5匹、モクズガニ2匹と多数のヒメタニシを捕獲した。
調査に協力した横浜市環境科学研究所は、この結果を「想定していたとおり」と話す。2010年の調査で確認されていたモツゴがいなくなったことは「ブルーギルやブラックバスの影響」と分析。「放流は生態系に影響を与えてしまう。マナーを守って池を利用することが大切」としている。
「再びカワセミを」
同公園に隣接するもえぎ野町内会の杉浦一夫会長によると、以前は姿を見せていたカワセミが2年ほど見つかっておらず「カワセミの写真を撮っていた人たちから、調査を望む声が強まっていた」と話す。今後はモラル向上のため、町内会でも呼びかけを行っていく予定。「在来生物が増えてカワセミにも戻ってきてもらいたい」と願っている。
今回の調査結果は、2月6日(金)に行われる公園愛護会のつどいで報告されるほか、土木事務所内でポスター展示を行い、一般にも公開される。
青葉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|