▼横浜を本拠地にするプロバスケットボールチーム、横浜ビー・コルセアーズが、来年10月に開幕するバスケ男子の新リーグ「JPBL」の1部参入を決めた。2011年から「TKbjリーグ」に参入し、3年目から新体制に移行後、チーム運営や財政を刷新。債務超過を解消し、1部参入に必要な年間売上2・5億円の見込みを立てたことは大きな成果だったと言える。
▼bjリーグ2季目の途中から運営に関わってきた植田哲也球団代表(44)は「破たん寸前のチーム財政を立て直すことが第一だった」と振り返る。昨季まで8400万円だった資本金を約3億1500万円まで引き上げたのは、株主からの増資をはじめ地道なスポンサー営業によるところが大きい。株主は約80社から10社ほど増加。植田代表は「(現所属リーグ最後の年にあたる)今季の売上を昨季の約1・4億円から2・5億円にしたい」と新リーグ参入を控え、目標を語る。
▼売上に加え、もう一つの大きなポイントがメーンアリーナ(主会場)だ。JPBLが1部参入の選考基準にした、年間試合数の8割のホーム戦を実施できる5千人規模の競技場は、都筑区の横浜国際プールを確保した。横浜市市民局スポーツ振興課は「横浜文化体育館(中区)も含めた2会場の確保について、市・県バスケットボール協会とともに支援する」としている。
▼ファンクラブにあたる個人会員数は昨季の約780人から3200人に伸ばした。市の広報協力を得て、8月末には市営地下鉄の駅頭で選手らによる募集キャンペーンを実施。草の根活動で認知度を高め、観客動員につなげたい考えだ。横浜市のほか座間市、平塚市などで行われたホーム戦の動員数は2014―15シーズン(10月〜4月)で26試合平均1439人。チーム初年度の1050人から約1・4倍と増加傾向にある。
▼横浜唯一のプロバスケチームとして、若年層の育成にも期待がかかる。スクール事業として、市内や伊勢原市等で全5校、15クラスを開講しており、小1から中3まで約500人が所属する。日本バスケットボール協会に登録する神奈川県の競技者は、都道府県最多の3万8926人(2月時点)。競技者育成の受け皿としても、地元プロチームが重要な役割を担いそうだ。
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