あざみ野の(株)古林(こばやし)療育技術研究所(古林紀哉代表)が開発した自閉症児の生活支援グッズが、2016年度のグッドデザイン賞を受賞した。作品は明日10月28日(金)から11月3日(祝)まで、東京ミッドタウン=東京都港区=で展示される。
◇ ◇
グッドデザイン賞は、(公財)日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度。よいデザインの指標となる「Gマーク」をつけることが認められる。
同社が開発したのは「コバリテ視覚支援スタートキット」。優先順位をつけて行動することが苦手な自閉症の子どものために、予定を視覚化する「見て動かすスケジュール表」だ。スケジュールボードと「起きる」「学校」など文字と絵が描かれた絵カード、磁石でボードに貼りつけるカードフォルダー等をセットにしたもの。日や週単位の予定をボードに並べ、終わったものを自分で外していくことで行動の見通しが立ち、子ども自身が不安なく過ごせるようにすることが目的だ。
経験から商品化
古林代表は、重度の自閉症で話すことができない三男(15)とコミュニケーションをとるために、息子が8歳の頃から妻とともに絵カードを手作りしてきた。古林代表の息子も優先順位をつけるのが難しく、やりたいこと以外のことが起きると癇癪やパニックを起こしていたといい、そこでスケジュール表の重要性に気付いたという。「順番を見せてあげると、その通りに行動できるようになった」。これらの経験をもとに試作を重ね、工業デザイナーとともに昨年開発、商品化した。自閉症児を持つ多くの家庭でこれらのグッズは手作りされているが、使い勝手が難しく、うまく活用できていないケースも多いという。古林代表は「予定終了後にカードを外すことが確認の意味で重要なので、外しやすさも工夫した。8年間手作りしてきたノウハウを詰め込んだ。今後はサイズを大きくして、学校の黒板でも使えるようなものを作りたい」と話す。製品の詳細は【URL】http://www.kobarite.co.jp/。
|
<PR>
青葉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>