医療費助成 小学1年まで拡大へ 10月からスタート
横浜市はこのほど、2012年10月から通院時にかかる医療費の自己負担分の助成を、小学校就学前から小学1年生までに拡大すると発表した。必要な経費約1億9千万円を含む12年度予算案は現在市会審査中で、可決され次第、手続きが開始される。
小児医療費助成は、健康保険加入の子どもが病気や怪我で医療機関に受診した際に支払う保険診療の自己負担分を、市が助成する制度。現在、0歳から小学校就学前までは入院と通院、小学生から中学生までは入院時のみ助成としている。
今回の拡大では、通院時の助成を小学1年生まで延長する。新たに対象となる約2万5千人の世帯には、8月下旬に案内と必要書類を同封した封書を郵送、所得制限などの審査を経て、9月に医療証を交付する。
拡大によって必要となる経費は、年度途中からとなる12年度が、約1・9億円。1年間通して実施される13年度以降は、毎年約6億円の支出増となる。
担当の市健康福祉局医療援助課では「市民から多くの要望を受けていたが、厳しい財政状況もあり、これまで実現できなかった。今回、ようやく拡大できることとなった」と話す。
自治体間で格差
通院時の医療費助成について、県内の政令市では、相模原市が小学3年生までを対象に実施。川崎市は現在、横浜市と同じく小学校就学前までだが、来年度から小学1年生まで拡大することを発表している。
県内の他市町村では、海老名市や厚木市などが中学生、藤沢市や大和市は小学6年生までを助成。東京都の23区も中学生までを対象としている。
各自治体では近年、対象年齢の拡大や所得制限の廃止などを行う傾向にあり、自治体同士でのサービス競争となっている。実際、横浜市には、他市から移り住んだ人から「横浜はもっと進んでいると思っていた」といった声が寄せられることも少なくないという。
少子化傾向のなか、助成制度の充実度合いが住む町を選ぶ際の判断基準の1つとなっている面もある。担当課では「医療費助成については県から各市町村に補助が出ているが、政令市と中核市である横須賀市は4分の1で、その他の自治体は3分の1。そのような背景もある」と話した。
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