横浜市は11月から性的少数者らを対象にした交流スペース「FriendSHIP よこはま」をオープンする。市が性的少数者に対し具体的な支援策を実施するのは初。LGBT(※)への理解を求める声が全国的に高まる中、差別や偏見などの解消を目指す。
同所は男女共同参画センター横浜(戸塚区=写真)の一室を使い、第1・3土曜日の月2回開所する。初回は11月7日。対象は性的少数者および家族や教員ら。専門スタッフが常駐し、利用者が安心できる環境で情報収集や交流できる場を提供する。事業は男女共同参画推進協会(【電話】045・862・5052)に委託。
市は今年2月頃からLGBTの支援策を検討。6月には20人以上の当事者との意見交換を実施した。「自分を偽らずに気の合った人と話したい」「インターネット上に情報はあるが、何が正しいのか分からない」などの意見から、スペース設置を決めた。また、臨床心理士による個別専門相談事業も11月から開始。LGBTの啓発や支援策を推進し、当事者が偏見なく過ごせる環境づくりを目指す。
「民間には限界がある。行政が行うことに意義がある」と話すのは、性的少数者に様々な支援を行うNPO法人SHIPの星野慎二代表。培ってきたノウハウを生かし、市の事業にも協力する。同法人が運営する交流スペース(神奈川区)は、昨年度約600人が利用。現在は運営費をまかなうため有料だが、県の助成金があった数年前までは無料で開放し、約1000人の利用者がいたという。
進学を機に地方から引っ越してきた同性愛者の女性(19)は同所を「自分が解放される空間」と評する。「存在は前から知っていて、『横浜はいいな』と思っていた」と話す。星野代表は「家族に相談しにくい当事者にとって、仲間と出会える場所は貴重。中高生が通いやすいよう、市内に数カ所あるといい」と話す。
「条例より環境整備を」
LGBTをめぐっては今年4月、東京都渋谷区が同性カップルを結婚相当の関係と認める条例を制定するなど全国的に関心が高まりつつある。市担当者は「当事者が孤立しない環境整備が先決」とし、今のところ条例は視野に入れていないと言及。星野代表も、認知度を高める一定の効果はあるとしつつも、適応される人は限定的とし「まずは社会認識を変えること」を課題にあげる。市は年度内に課題を洗い出し、来年度以降の方向性を探る方針だ。
※LGBT…レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字。性的少数者を指す。
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