横浜市は団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」を念頭に、在宅医療体制の整備を急いでいる。そんな中、今後の大きな課題となるのが支える医師の確保と負担軽減。今年度の新事業で対策に着手している。
市は、団塊の世代が75歳以上となる25年には、在宅対象者が13年比で1・8倍の5・6万人になると推計。市が昨年度行った高齢者実態調査でも、一般の高齢者、要介護者ともに介護サービスを受けながら自宅での生活継続を望む割合が最も多いという結果が出ている。
こうした状況を受け市は昨年5月、全区に在宅医療連携拠点を設置。ケアマネ資格を持つ看護師などを常駐させ、退院後の自宅での療養相談や往診可能な医師の紹介などのサービスをスタートさせたところ初年度の新規相談者が3293人に上っている。
「2倍の医師が必要」
一方で今後の課題と捉えているのが、25年時の在宅医療に従事する医師の確保だ。市医療局は「現時点では不足の認識はないが『25年』を考えると、今の2倍の医師は必要となるだろう」とし、在宅に取り組む医師を増やすには、勤務の負担軽減が欠かせないと指摘。市医師会も「現場の医師にとって365日・24時間対応が厳しい」とする。
こうした状況を踏まえた新規事業として、市は平日・日勤帯を担当する医師と、休日・夜間帯の急変時に対応する医師を輪番制にするバックアップシステムの構築を医師会と連携して開始。また、在宅医療に関心のある医師に基礎知識を学ぶ座学、先輩医師と同行訪問研修も行っている。
6年計画策定へ
さらに現在、次年度から6カ年を計画期間とする「よこはま保健医療プラン」も策定中だ。同プランは市の保健医療分野の施策を形作るものだが、在宅医療を重要な取り組みと位置づけ、効果的な施策を盛り込む方向で調整している。
同局の西野均課長は「医師の負担軽減が新たな医師の確保につながる。一方で国との関わりとなるが、在宅に携わる医師を評価する法整備が必要」とし、「市民の要望に応えるため、体制を整えていく」と話す。
市内で在宅医療に取り組む医師の一人は「終末期に家で亡くなりたいと希望する人は多い。その声に応えられる医師を増やす啓蒙活動が重要となる」と語る。
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