発掘調査専門会社(株)博通が、中世に存在したとされる篠原城跡で初めての発掘調査を現在、行っている。城を取り巻く堀の構造が分かったほか、遺物が出土しており、当時の様子が分かる発見に繋がりそうだ。
菊名・篠原地区に古くから住む住民から存在が噂されていた篠原城は、新横浜駅から徒歩15分程度の位置。数年前から国学院大学の伊藤慎二さんらによって調査・研究は進んでいた。不明な部分も多いが、伊藤さんによると、戦国時代に後北条氏の家来筋にあたる金子出雲という在地武士によって治められていたと考えられている。同地の一部が宅地化されることをうけ、文化財保護法に基づき昨年12月から発掘調査を開始していた。
発見によって重要性増す
”かわらけ”と呼ばれる土器が発見されている。伊藤さんは個人的所見と前提を加えた上で「かわらけは、公的な宴会などで使うもので、生産地・使用場所もかぎられる。また、後北条氏小机領の生産・流通といった地域社会の実態が明らかになるかもしれない。政治的・社会的に重要な城だったと推測される」と話す。遺物は市で保管される。
今後の保全と見学会
同地には複数の土地所有者がおり、今回宅地化される部分以外は、城跡を含む山全体を現状のまま保全する方向で話し合いが進められている。
伊藤さんは、「開発を免れ、400年以上もこれだけ完全な形で残っていたのは奇跡的」と話している。
29日(土)には、発掘現場(篠原町2554・表谷踏切付近)で見学会が行われる。時間は午前10時から11時30分まで。予約不要。当日直接現地へ。
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