保健師、助産師、看護師として県内で長年に渡り業務に励み、顕著な業績を残した人を県が表彰する「神奈川県看護賞」。50回目となる今回は、10人が選出され、菊名にある(一社)横浜メディカルグループ本部の看護部長を務める、鈴木恵美子さん(61)が受賞を果たした。
鈴木さんは長崎県生まれ。親戚に看護師がいたことがきっかけとなり、高校卒業後、看護学校に進学。准看護師の資格を取得した。「特に看護師になりたかったわけでなかったんです。誘われるがままって感じで」と、笑顔を見せながら振り返る。
”一生の仕事に”と心に誓ったのは、上京後、昭和大学病院で正看護師になるため勉強をしながら勤務していたとき。末期がんを患っていた女性から「子どもを、私の代わりに遊びに連れていってくれませんか」と依頼された。鈴木さんはその言葉の通りに遊園地などに連れていった。女性はとても喜んでくれ、臨終の際、鈴木さんの手をしっかりと握りながら息を引き取ったという。「私の母親の教えはいつも『人にやさしく』でした。この仕事はそれができると確信しました」
そこから本格的に看護師として道を究めていくことに。外科病棟を担当し、同時に手術のサポートも8年間に渡って続けた。1分・1秒を争う緊張感漂う中で、医師から叱咤されたことも度々。しかし、そこで精神的に鍛えられたことで「今の私があると思います」と話す。
老健開設に携わる
1991年、転機が訪れる。これまでの実績が認められ、同グル―プの菊名記念病院開設に際し、「看護婦長職」として招かれることに。激務だったが、寝食を忘れるほど無我夢中で取り組んだ。今回の受賞理由にもなっている、訪問看護ステーションや老人保健施設等の開設に携わり、利用者の身体拘束ゼロなどの取り組みも積極的に進めた。
次世代に伝え残す
1987年に結婚。その後も夫と二人三脚で生活してきた。気分転換の1つは近所の居酒屋での飲食。「仕事は終われば『飲みにいくぞー』って雰囲気です」。今後も看護師として体力が続く限り、仕事を続けたいと願う。「看護師は誇りを持って一生やれる尊い仕事。この受賞もそうした点が評価され、とても嬉しい。次の世代に看護師の素晴らしさを伝えたいですね」と明るく語る。
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