国土交通省・京浜河川事務所と神奈川県は2日、鶴見川水系で想定し得る最大規模降雨量の新たな基準を示し、それを踏まえた洪水浸水想定区域を指定・公表した。港北区内の鶴見川周辺では最大で1週間浸水が続くエリアが多く、小机駅前では3・9mの浸水深が想定されるとした。
国交省と県は、同河川の大規模氾濫に対する治水対策を進めており、今回の指定・公表はその一環。行政による避難勧告などの適切な発令や住民らの主体的な避難に役立ててもらうことが目的だ。2015年5月の水防法改正や同9月の鬼怒川の堤防決壊のほか、地球温暖化などの近年の気候変動を踏まえ、流域全体で48時間の最大規模降雨量をこれまでの405mlから792mlに引き上げている。
6河川流れる港北
一級河川鶴見川水系の10の支流のうち、区内を流れるのは鶴見川・矢上川、早淵川、鳥山川、砂田川、大熊川の6河川。特に区内の鶴見川は大きく蛇行する形で流れており、水が滞留しやすく被害が大きくなることが予想される。新基準でみると、浸水継続時間は早淵川周辺の高田駅から同河川の上流で12時間から24時間、鶴見川と鳥山川が合流する小机・鳥山町付近にある「鶴見川多目的遊水地」付近から、鶴見川下流の樽町や日吉付近までは72時間〜最大1週間浸水が続くとしている。
「小机周辺は注意を」
浸水の深さは低い箇所で港北区役所周辺や新横浜駅周辺などの0・5〜3・0m。最大は小机駅前の3・9mとなっており、担当者は「小机周辺は地盤が低くなっており注意が必要」と警笛を鳴らす。避難対策の見直しが行政の今後の課題となるが、同事務所によると、「行政は今回のデータをもとに洪水ハザードマップなどを作成していくだろう」としている。
発表された浸水想定区域は、同事務所【URL】http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/や、神奈川県【URL】http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p1056281.htmlのホームページで閲覧が可能だ。
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