高田町の住民が設置した花壇に、障害者活動ホーム通所者が描いた絵画が5月17日まで掲示されている。区が主催する「港北オープンガーデン」のコース内にも盛り込まれており、新緑のなかウォーキングがてら鑑賞するのも楽しそうだ。
花壇設置は、同町在住の古田邦夫さんが代表を務める「高田の丘美化活動グループ」が2004年頃から進めてきたもの。同町天沼住宅街はかつて、夜になると人通りが絶えるのを狙った、車やテレビなどの不法投棄に悩まされていた。古田さんらが中心となり、ごみを捨てにくい環境づくりをめざし、季節ごとに美しい花を咲かせるスイセン、アジサイ、ツツジなどを植えた花壇設置をしたところ、状況は一変。現在では大きく改善されている。
理解深めたい
下田町にある、港北区障害者地域活動ホームしもだでは、知的・身体障害がある通所者が講師の指導を受けながらイラストなどを描く創作の時間を設けており、その作品は、きれいで独特の色彩感覚を持つ特長的なものばかり。その絵に心を動かされた古田さんが、同ホームに声をかけ、花壇への展示が実現した。 グループメンバーが、絵を飾るべニア板のカットや白色のペンキ塗りなどの下準備を担当。4月上旬から5つの花壇に、通所者の7人ほどがこれまで描き残していた作品のうち、50点の公開を始めている。
ホームしもだの伊東葉子さんは「通所者の絵を多くの人に見てもらい、障害への理解を深められれば嬉しい」と話し、古田さんは「障害者の人たちに1つの達成感を味わってもらいたかった。どの作品も素晴らしいものばかりです」と目を細める。
横山区長も鑑賞
10日には、横山日出夫港北区長も現地を訪れている。「不法投棄が絶えなかったこの地域が花壇で再生され、今回、活動ホームしもだ利用者の個性的な絵も展示された。地域の底力を感じた」とコメントしている。
この高田の花壇は5月15日から17日に開かれる、今年で3回目を迎えた個人・グループが育てた庭を公開する「港北オープンガーデン」のコースにも組み込まれている。
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