県内で唯一、競歩の上位審判資格を持つ 常磐 信欽(しんすけ)さん 中央大学付属横浜中学・高校在勤 40歳
「コツコツ」 一歩ずつ
○…「学生時代より、めちゃくちゃ勉強した。落ちたら格好悪いし」。県陸上競技協会から声がかかり、試験に挑戦。日本記録の公認要件にも記載のある競歩の審判資格「JRWJ」保持者として活動している。日々の授業や部活動、育児と忙しい中、「隙間時間を有効活用した」。自宅最寄りの茅ヶ崎駅からセンター北駅までの往復約2時間、電車通勤時にルールブックを丸暗記した努力家だ。「今後は、神奈川全体のレベルアップを図っていきたい」
○…東京に生まれ、小学1年の時に茅ヶ崎市に。中学入学時はサッカー部に所属。競技経験のない顧問は「『体力勝負だ、とにかく走れ』と陸上部より走ってました」と足腰を強化する毎日。そんな時、校内のマラソン大会で学年1位になり、陸上部顧問に入部を誘われた。「1位から10位までみんなサッカー部でした」。才能は直ぐに開花し、中長距離の選手として神奈川県大会で優勝するほどに。高校には特待生としてスポーツ推薦で進学した「陸上のエリート」だ。
○…大学の体育学部で教員免許を取得。「就職氷河期で直ぐには教師になれなかった」。アルバイトで食いつなぐ日々。ある日、中学時代の恩師から連絡がきた。体育の教員をさがしているというが、そこは荒れた中学。「木刀で生徒に殴られたこともある。TVの学園ドラマのような学校だった」。あらゆる体育教師が1日、2日で根を上げる学校で非常勤講師として卒業生を見送った。「不良だからとか、生徒をひいきしない。コミュニケーションが大事」と辛抱強く対話を重ねた。
○…15年程、千葉のスタジアムで行われるロッテの開幕試合には家族で観戦に行っている。今シーズンは「調子がいいから楽しい」と破顔する。とくにチーム一筋で同じ年齢の福浦選手を応援。「もちろんユニフォームも持ってます」。野球観戦も生徒指導も常に全力。神奈川の競歩界が一歩前に進みだした。
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