海外技術研修員や神奈川県内の大学に通う留学生の宿泊施設「神奈川県国際研修センター」=中尾=が2015年3月末に閉館する。県が進める緊急財政対策の県民利用施設の見直しによるもので、跡地利用法は未定だという。
国際研修センターは1987年に設置されて以来、約600人の研修員を受け入れてきた。各国から来日した研修員らは保健衛生や教育などさまざまな技術を学ぼうと、県内の施設や企業で研修を受けている。
ピーク時の93年には28人を受け入れていたが、ここ数年は、県の予算縮小などにより4〜5人となっている。宿泊施設は県内の大学に通う留学生も利用しており、現在は34人が生活している。県の担当者によると、留学生をとりまく住環境は大学側のサポートなどもあり、センター開設当初よりも改善されているという。こうした背景も踏まえて、「センターとしての役割を終えた」との見解を示す。
センター閉館後も、県による研修員の受け入れは継続する方針で、宿泊施設に関しては個別に応じていくという。
また、今後は12年に発足した留学生支援などを主な事業とする「かながわ国際ファンクラブ」などを通じて就職支援や交流など総合的なサポートに注力していく考えだ。
地域活動にも活用
同センターは宿泊棟と研修棟からなり、「宿泊」「研修」「交流」の機能を持つ。研修棟では100人の収容ができる会議室と、2つの研修室を備えており、一般団体が有料で利用することも可能だ。現在は49団体が登録しており、そのうち詩吟や和太鼓など約20団体が、定期的に利用しているという。
また、センターでは地域住民が参加する写真展や、研修生や留学生が主体となり運営するイベント「センターデー」なども開催しており、地域交流の場としても広まっていた。
同センターの松本マツノ所長は「地域の方々にはイベントにも参加していただき、研修生たちを子どものように見てもらっていた。閉館まで十分に活用してもらえれば」と話した。
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