青葉区あざみ野で地域の交流スペースを運営しているNPO法人スペースナナは、横浜市内でも早くから「こども食堂」に着目してきた団体の1つ。同法人が2015年2月から運営する「ナナ食堂」には現在、これからこども食堂を始めたいという人たちから毎週のように問い合わせがあるという。共同代表を務める柴田暁子さん(67)は「1つの『現象』になっている気がする。皆子どもを大事に思う気持ちで行動していて、日本も捨てたものじゃないなって思う」と話す。
誰もが立ち寄れる場所
ナナ食堂のきっかけは、ほかの多くの団体と同様に、「子どもの6人に1人は貧困」という報道があったこと。
「食べられない子がいるなら、なんとかしないと」という思いで動き出した。一方でスペースナナは、「誰でも立ち寄れる場所」を作ることをコンセプトにしているため、「ナナ食堂が『こども食堂』かというと、そういうわけでもない」と柴田さん。食堂でも対象を子どもには限定していない。
食堂では月に1回ずつ昼食、夕食を大人500円、高校生以下無料で提供しているが、実際に運営を開始してみると子どもだけで足を運ぶケースはなく、利用者の多くは家族連れや高齢者など。「お腹を空かせている子の見極めは難しいし、その子に足を運んでもらうのも難しい。そもそもこの地域には、貧困の子どもなんていないのかもしれない」
「意義ある活動」
それでも続けているのは、「おかずを作ってきてくれる参加者がいたり、それを楽しみにしている人もいる。そんな交流の場にもなっている」と柴田さんは明かす。だがほかの食堂では、子どもを救いたいという思いとは裏腹に、手応えが感じにくいため、「私のやっていることは、お腹を空かせた子どもたちに届いていない気がする」と活動を辞めてしまう例もあるという。
横浜こども食堂ネットワーク準備会の有志メンバー米田佐知子さんは、「従来子どもの貧困について語り合う場自体がなかった。その意味でも機運の高まりは意義がある」と話す。柴田さんは、「子どもの貧困というけど、それは実は親の貧困。それぞれの原因となっている社会問題にまで目を向けることが大切なのだと、改めて感じている」と課題を口にした。(了)
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