横浜市繁殖センター(川井宿町/市川典良所長)がこのほど、昨年国内初となるミゾゴイの繁殖に成功したことに対して、繁殖賞を受賞した。また、同センターでは今年もミゾゴイとカグーの繁殖に成功。両種とも元気に成長しているという。
繁殖賞は日本動物園水族館協会が飼育下の動物で、国内初の繁殖に成功した動物園や水族館に授与する賞。同センターは今回で4回目の受賞となった。
ミゾゴイはサギ科の夏鳥で、4月頃に日本に渡来して繁殖し、10月頃に台湾や中国南東部、フィリピンなどへ渡り越冬する。しかし、生息環境の変化などにより近年個体数は減少しており絶滅の危機にある。
同センターではミゾゴイを2013年から飼育を開始。2年後からペアリングを始めた。飼育担当の白石利郎さんは「例がないので、手探り状態だった」と振り返る。実態のわからない状態ではあったが、長年の飼育経験を生かし、繁殖は成功。国内2例目となった、5月14日にふ化したミゾゴイも現在、順調に育っているという。
ミゾゴイの繁殖は全国的に取り組まれてはいなかったが、今年から環境省が保護活動を進めている。市川所長は「繁殖センターでの成功例がこれからのミゾゴイ保護活動に貢献できると思っている。種の保存の役割を果たしていきたい」と話した。
カグー 元気に成長
同センターでは今年5月24日、カグーの繁殖にも成功。カグーはニューカレドニアの固有種で、ほとんど飛行せずに地面を歩いて生活する。市では1989年から野毛山動物園で飼育を始め、同センターではこれまでに11羽の繁殖に成功している。
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