横浜市は「働き方改革」の一環として6月から9月まで、一部部局で「横浜版フレックスタイム制度」を試行する。時差勤務とともに勤務時間の短縮も組み合わせ、11のパターンから選択が可能となる。
勤務時間を自分で決められる「フレックスタイム制度」はワークライフバランスが強く求められる中、近年、行政や民間でも導入が進んでいる。横浜市は2015年度の機構改革で「しごと改革室」を新設し「テレワーク」(在宅勤務)を試行するなど職員の勤務体系の見直しを進めている。
同室によると現在、市職員の約6割が介護を要する家族を抱えることが多い40歳以上、また女性職員も増加傾向にあり、育児支援の観点からも「働きやすい環境整備」は喫急の課題となっている。今回の試行導入は介護や育児をしながら仕事を続けることができる環境整備が大きなねらいだ。
組合せ11パターン
試行する部局は企業局を除く24の局統括本部と、地域住民との会議などで夜間の勤務や窓口業務を多く抱える2区役所(戸塚区・瀬谷区)。対象職員数は約8千人になる。
期間中は午前10時から午後4時までをコアタイムとして設定。午前7時15分から午後9時までの間で設けられている11パターンの中から勤務時間を選択し、原則勤務時間同等の7時間45分間業務にあたる。
時期ごとに異なる業務量に合わせコアタイムのみの勤務日と午前8時30分から午後8時までの勤務を組合せるなど、時差勤務と勤務時間の短縮も組み合わせた、柔軟な枠組みも用意されている。大塚尚子ワークスタイル担当課長は「個々の抱える事情や職場により効率的な働き方がある。働き方が選択できることで、質の高い市民サービスの提供につながれば」と話す。
残業抑制も期待
同室によると15年度の全職員の残業時間は前年度よりも約6万時間増え約280万時間に上る状況にある。フレックス勤務制度の導入は超過勤務の抑制をねらったものではないとするが、同課長は「制度導入の副産物的な成果として、改善につながることも考えられる」としている。
市は試行を通じ導入効果や課題を検証し、全庁導入へ向けた検討を進める。
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