富士見丘学園 鉄道模型で日本一 女子の感性、ジオラマに
横浜富士見丘学園中等教育学校=中沢=の地理研究部が、全国高等学校鉄道模型コンテストのモジュール部門で最優秀賞に輝いた。桜の香りをつけるなど女子高生ならではの発想が票を集め、112校の頂点に立った。
東京ビッグサイトで8月23日と24日にかけて開かれた同コンテスト。鉄道模型を制作する高校生の発表の場として実施されており、モジュール、一畳レイアウト、HOゲージ車両の3部門で競われ、審査員と一般来場者の審査により受賞校が決められる。同部は2回目の出場で、日本一の快挙を成し遂げた。
モジュール部門に出場したのは部長の山口栞生(かいり)さん(5年=高2)、小島梨奈さん(4年=高1)、吉田ひなのさん(4年)の3人。作品「お城のある風景〜春の桜まつり(夜)」は、小田原市に住む吉田さんのアイデアで小田原城がそびえ立つ風景をモチーフにした。
夜をイメージしているため、城にはLEDを仕込み、窓にはオレンジ色のプラスチックを使用して明かりを表現するなど細部にまでこだわった。中でも、桜には並々ならぬこだわりがある。当初は既製品の桜を使用していたが、色や木の形に納得がいかなかったことから、全て手作りに。科学部にも所属する小島さんの考えにより、桜は尿素を結晶化させたパウダーに色づけしたものをスポンジにまぶし、理想の質感と色を実現させた。さらに桜の香りをつけるなどの繊細な工夫も審査員の心をつかんだようだ。
元々、地域研究をテーマとする同部。ジオラマ制作は皆、初心者だ。しかし、大会を知った顧問の中山憲一教諭らの勧めにより昨年から同大会に出場したところ、初出場ながらモジュール部門で7位に入賞した。
中山教諭は「ジオラマ制作は風景を再現するということで、地域研究につながる部分もある。生徒たちは作品を半端に扱うことなく、よく完成させた」とねぎらった。
後輩にバトン託す
3人のサポートもした中等1、3年生も一畳部門に出場し、技能賞を受賞。「自然があふれるY・Fランド」と名付け、遊園地をイメージしたジオラマを完成させた。山口さんは「これだけ大きな作品を作り上げられる後輩たちは、とても頼りになる。3年生は器用だし、1年生は今後の成長が楽しみ。インパクトがあって、驚くような作品をつくってほしい」と後輩たちの活躍に期待を込めた。
同部では早くも来年の大会出場に向けて、次の構想を練っているという。どんな「意表をつく作品」が出てくるか楽しみだ。
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