市営地下鉄新百合延伸 事業規模は1500億程度 市検討会が試算発表
横浜市は市営地下鉄3号線の延伸区間など3路線の鉄道計画路線について、その必要性や事業の採算性などについて中間報告をまとめ、このほど発表した。
市は中期4か年計画(2010〜13年)で都市基盤強化が目的の「次世代の総合的な交通体系の構築に向けた検討」を施策の1つとして掲げ、15年を目標に進めている。こうした中、学識経験者らが参加する4回目の「検討会」が先月開かれ、中間報告が発表された。
同調査の検討対象は、【1】高速鉄道3号線(市営地下鉄3号線)あざみ野〜新百合ヶ丘の延伸、【2】横浜環状鉄道・仮称の新設(日吉〜鶴見、元町・中華街〜根岸〜二俣川〜中山)、【3】京浜臨海線(東海道貨物支線の旅客線化等、桜木町〜品川など)の3路線。中間報告は30年を目標年次に需要規模の推計や収支採算性などについて試算したもので、市の将来人口動態や移動特性の変化も想定した。
高速鉄道3号線延伸区間の平均輸送密度は45〜53千人/日、概算事業費を1300〜1500億円と見込んだ上で23〜31年で黒字転換すると試算した。また、新設された場合の移動時間は「あざみ野〜新百合ヶ丘」間で、これまでの約30分が約10分に短縮されるとしている。
環状鉄道は6〜7千億
横浜環状鉄道の新設区間の平均輸送密度は42〜55千人/日、概算事業費を6600〜7200億円と試算。その一方、全線整備には多額な費用と時間を要するため、「区間ごとに深度化した検討が今後、必要」と述べるに留め、黒字化の目途についての言及は行わなかった。
東海道貨物支線の旅客線化等は「沿線自治体で構成される検討協議会と連携しながら検討を進める必要がある」との表現に留めた。
市は中間報告をもとに、3路線の整備方策(まちづくりなど)や他の公共交通機関との連携等について検討し、次世代の総合的な交通体系について12月頃を目安にとりまとめる予定だ。
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