平塚学園のエース投手として、高校野球県大会準優勝に貢献した 熊谷 拓也さん 相沢出身 18歳
逆境を力に変え
○…県ベスト4で関東大会出場を逃した昨秋に誓った「日本一」の夢。7月30日の神奈川大会決勝で宿敵・横浜高校に0―3で敗れ、最後の夏を終えた。「八木(崇文)監督のおかげでここまで成長できたので、何としても勝って胴上げをしたかった」と思いを語る。
○…野球を始めたのは小学3年のとき。友人に誘われ、少年野球チーム「スモールベアーズ」に入った。5年生から投手に転向して以来マウンドに立ち続ける。中学で瀬谷シニアに所属。先輩が引退するまでグラウンドにも入れず、試合に出られない日々が続いた。1、2年の大半を基礎練習に費やし、ボールを持たない日もあった。「体力よりも精神的に辛かった」と振り返る。そんな沈む気持ちを奮い立たせてくれたのが両親の存在だった。毎朝の励ましの声を胸に、「中途半端なままで辞めたいとは言えなかった」。決意を新たにし、3年時にはエースとして関東大会出場を果たした。「この前は籾山(伊佐夫)監督が球場に足を運んでくれた。今度は自分がシニアの練習に顔を出す」と、感謝の気持ちは忘れない。
○…中学2年の秋に平塚学園の練習場を借り、八木監督から指導を受けたことがきっかけで同校に進学。寮生活のため、監督からは野球の技術だけでなく、礼儀や規律など生活面でも厳しい言葉をかけられてきた。「勝ちたいという思いが第一にあった。仲間とその気持ちを共有し合いながら困難を乗り越えてきた」と胸中を明かす。「監督を信じてきたから辛い練習にも耐えることができ、試合でも勝てるようになった」と恩師への思いも強い。
○…チームメートや友人からは「くま」の愛称で呼ばれ、自他ともに認める「いじられキャラ」の一面も。「今後も野球を続けるので、お世話になった人に恩返しになるような活躍をしたい」。屈託のない笑顔を見せる一方で、熱い心を内に秘める。野球人生はまだ始まったばかりだ。
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