最年少で剣道8段審査に合格した 辻山 和良さん 瀬谷在住 46歳
極めた剣道、その先へ
○…「日本の数ある試験のなかで最も取得困難」と言われ、合格率は1%以下。3月30日に岡山県で行われた全日本剣道連盟が定める8段審査に、最年少の46歳で合格した。「まずはほっとした。8段は夢でもあり目標でもあった」と話し、独特の緊張感から解放された発表時を思い返す。「剣道は人間形成の場。子どもたちにもっと興味を持ってもらいたい」。穏やかながら、その眼差しは揺るがない。
〇…瀬谷出身。子ども時代は川に入って遊んだり自転車で江の島まで出かけたり、とにかく体を動かすことが好きだった。剣道との出会いは小学1年生の4月。「剣道をやりたい」という父親とともに練習を覗きに行って興味が湧き、瀬谷区剣道連盟瀬谷支部に入門。瀬谷中学校時代は「楽しかった記憶しかない」ほどのめり込み、同校初の全国大会出場を果たした。東海大相模高校時代はインターハイを経験。その後、東海大学武道学科へ進学し、歴史や技術など剣道を学問として学ぶうち「得た知識を頭の中で終わらせるのではなく、実技に生かすことが本当の剣道なのでは」との思いを抱き、本格的に剣道を追求する場をめざす。
〇…1990年に神奈川県警察に採用され、第2機動隊員に。その傍ら特別訓練員として剣道の鍛錬に励み、県警代表で数々の大会に出場してきた。08年に警察技術職員となり、県内11署で各署配属の助教を指導する日々だ。8段の受験資格を得られる46歳になり2度目の挑戦で夢を手にした。2次審査はほぼ記憶にないと言い、「後で映像を見て2回しか竹刀を振っていないことに驚いた。それだけ無意識だったのかもしれない」と話し、「ここからがまた自分の剣道の始まり」と気持ちを引き締める。
〇…一緒に始めた父親は78歳の今も区内の道場で稽古をつけているという。「生涯剣道という言葉があるように、何歳でも出来るのが魅力」。剣道の奥深さをこれからも伝えていく。
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