質の高いサービスを実践する優良介護事業所を選ぶ制度「かながわ認証」の結果が3月22日に発表され、県内46事業所が認証を受けた。瀬谷区からはデイサービスのリハビリストホーム瀬谷(二ツ橋町)、介護老人福祉施設「ひだまり館」(同)、特別養護老人ホーム「愛成苑」(瀬谷町)が選ばれた。
同制度は、2016年度に創設された。県によると、現在の介護保険制度は、質の高いサービスによって利用者の要介護度が下がると報酬が減り、運営努力が収益向上に反映されにくい状態になっている。また、団塊世代が後期高齢者となる2025年に向けて人材確保を図る必要に迫られている。県ではこれらを背景に、事業所の「やる気」を刺激し、サービス向上を促す仕組みとして、認証制度を始めた。同制度の上には、「かながわベスト介護セレクト20」が設けられている。
審査は訪問・通所・居住・入所の4部門で実施された。「かながわ介護サービス等向上宣言」を行い、事業所指定から3年以上経過していること、介護情報公表制度のレーダーチャート7分野全てが4点以上であることなどが申請条件。審査を経て、リハビリストホーム瀬谷は通所系として、ひだまり館と愛成苑は入所系として認証を受けた。
リハビリストホーム瀬谷
二ツ橋町の総合健康福祉施設「ジェイアークプラザ」内にあるリハビリストホーム瀬谷。審査項目において満点の評価を受けたのは、利用者の要介護度の維持改善やリハビリテーションの充実、研修制度についてなど。職員の重信麻子さんは、「点数がはっきり出ることで改善点が明確化し、今後に活かすことができる」と期待を寄せた。また、力を入れている利用者に対するプログラムについては、他施設の取り組みを参考にしながら効率化を図っていきたいとしている。
及川拓也センター長は、「スタッフが真面目にやってきたことが評価されたのは嬉しいこと。まずは、今やっていることを継続していきたい」とした。
ひだまり館
ひだまり館は、要介護度3以上の人を受け入れる入所と、ショートステイを行う。運営は、東野台で軽費老人ホームも手掛ける社会福祉法人栄光会。
「人権やプライバシーを尊重した介護を実践しています」と平野正文施設長。その取り組みの1つが、4人部屋の間取り。通常はカーテンや家具を使い居住者ごとのスペースを確保するが、同館では消防法をクリアしながら間仕切り壁を設け、個室のような空間に仕立てている。また地域との連携も掲げており、今年は地区社会福祉協議会と協力した事業を計画しているという。平野施設長は認証を受け「多様化するニーズに応えられるよう、進化し続けたい」と抱負を語った。
愛成苑
瀬谷町の特別養護老人ホーム「愛成苑」(運営/社会福祉法人愛成会)は、1カ月に5〜6回以上の研修を行うなど、日頃から職員のスキルアップに力を入れており、認知症の高齢者への対応を学ぶ研修も積極的に取り入れている。平本千恵子施設長は、「その点を評価してもらえたと実感している」と話し、「職員の自信につながるのではないか」と喜びを表した。
さらに、平本敏理事長は「特養は”終のすみか”ではない。具体的な評価をもらうことで、職員の仕事に対するモチベーションにもなる」と述べた。今後は「かながわ認証」のさらに上位「ベスト介護セレクト20」をめざし、取り組んでいきたいとしている。
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