境川の浸水想定区域内にある小規模福祉施設と、近隣の特別養護老人ホームなどが今月20日、風水害時の一時避難場所の提供に関する覚書を締結した。福祉施設の利用者が早期に避難できる安全な場所を確保し、被害を未然に防ぐ狙いだ。横浜市で初の試み。
瀬谷消防署によると、区内の境川水系浸水想定区域には、高齢者や障がい者などが利用する「要援護者施設」が18カ所ある。しかし、高台や避難場所が近くにないケースも多く、大雨警報時に早期避難できる場所の確保が課題となっていた。
締結対象となった小規模福祉施設は、「認知症高齢者グループホーム サロン・ド・せや」(中屋敷)と「小規模多機能型居宅介護事業所 六丁目のつどい」(瀬谷)で、ともに境川沿いに位置している。それぞれ「特別養護老人ホーム愛成苑」(瀬谷町)と、「介護老人福祉施設 ひだまり館」(二ツ橋町)と覚書を交わした。
今後、大雨や台風で境川が氾濫して浸水被害が発生、または懸念された際、両施設の入所者は締結先の施設に一時避難する。安全が確保された時点で、地域防災拠点などに移動する。
防災ネットが推進
この取り組みは、区内事業者が集まり、防災・減災対策を推進する「Seya防災ネットワーク」の活動の一環。瀬谷消防署から、要援護者施設の一時避難場所について相談を受け、関係会員に打診していた。
瀬谷消防署で行われた締結式にはサロン・ド・せやの佐川恵美さん、六丁目のつどいの高橋智代さん、愛成苑の平本千恵子さん、ひだまり館の平野正文さんが出席。同ネットワーク・大規模高齢者施設分科会の相澤隆二会長と、瀬谷区の小澤明夫副区長、瀬谷消防署の八釼猛署長が立会人を務めた。
佐川さんと高橋さんは「これからも利用者の安全確保に努めたい」「ネットワークの存在と覚書が大きな安心になる」とコメント。平本さんと平野さんは「24時間365日いつでも受け入れます」と口を揃え、八釼署長は風水害対策において「大きな一歩」と期待を寄せた。同ネットワークは今後も、この取り組みを拡大していく意向だ。
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