神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
泉区版 公開:2016年9月1日 エリアトップへ

子どもの傷害予防に取り組むSafeKidsJapanの理事長を務める 山中 龍宏さん 緑園在勤 68歳

公開:2016年9月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
山中 龍宏さん

子どもの事故を防ぎたい

 ○…傷害予防に打ち込むきっかけとなったのは1985年のとある事故だった。小児科医として勤務する病院に、プールの排水口に吸い込まれた中学生が運び込まれた。すでに手の施しようがない状態。過去に全国で何件も同様の事故が起きていたが対策がされず、悲劇が繰り返されていることに危機感を覚えた。「蓋を閉めれば防げたはず。他の事故も改善できる原因が必ずある」。日常の事故を含め、多くが「不慮の事故」ではなく「予測できる傷害」だと繰り返し強調する。

 ○…SafeKidsは世界25カ国にある国際組織。日本では2年前に設立され、転倒や火傷、窒息など、全国60人の会員が子どもの傷害予防に取り組む。「子どもの事故は親の不注意や責任と言われることが多いが、心がけだけでは防ぎきれないこともある」。誤飲を防ぐには口の大きさ、転落を防ぐには身長に対する柵の高さを知ることが鍵となる。「具体的でより確実な予防方法を伝えていきたい」と意気込む。

 ○…保護者らへの啓発だけでなく、企業や行政に働きかけることも予防の道を切り開く1つの策だ。事故現場を検証し、何例も事故が起きているという根拠を示し、製品の改良や安全基準改訂、法律改正を提言することもある。「保護者の皆さんも『自分の不注意で』と終わらせず、事故の情報を医師や消費者庁に伝えてください」

 ○…広島で生まれ、7歳の時、家族で神奈川に移り住んだ。医師の道を志したのは叔父の影響。学生運動真っただ中だった東京大学医学部を卒業し、総合病院などに勤務。17年前に緑園こどもクリニックを開いてからは病気・けがの診療だけでなく、学校での悩み相談を受けることも。「何でも相談みたいなもの」と笑うが、これも厚い信頼があるからこそ。休診日も講演に執筆活動にと忙しい毎日を送るが、優しい笑顔で見つめる先には、いつも子どもたちの明るい未来がある。

泉区版の人物風土記最新6

三善 幸夫さん

能登半島地震の緊急消防援助隊神奈川県大隊の第一次派遣で大隊長を務めた

三善 幸夫さん

横浜市内在住 60歳

3月28日

中山 懐利(かねとし)さん

3月末で閉校するいずみ野小学校の学校運営協議会会長を務める

中山 懐利(かねとし)さん

和泉町在住 86歳

3月21日

平川 一博さん

60周年記念誌を発行した和泉町わかば会の会長を務める

平川 一博さん

和泉中央北在住 70歳

3月14日

成田 はるかさん

昨秋に続き、3月30日に和泉遊水地でのフリマを企画している

成田 はるかさん

上飯田町在住 43歳

3月7日

小松 久子さん

全国大会で実績を挙げている横浜緑園高校軽音楽部を顧問としてけん引する

小松 久子さん

横浜緑園高校在勤

2月29日

上野 誠也さん

横浜国立大学大学院の名誉教授で、無人探査機「SLIM」の月面着陸に貢献した

上野 誠也さん

66歳

2月22日

あっとほーむデスク

  • 3月28日0:00更新

  • 3月14日0:00更新

  • 3月7日0:00更新

泉区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月28日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook