プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグPlusのドラフト会議が11月13日に行われ、戸塚区を拠点とするチーム「EMANON(エマノン)Baseball(ベースボール)Club(クラブ)戸塚」(以下、エマノン)の伊藤克(すぐる)選手(20)が、徳島インディゴソックスに入団することが決まった。「プロの世界で活躍し、戸塚を代表する野球選手になりたい」と意気込む。
伊藤選手は11月3日、同リーグが開催する選手採用のトライアウトに挑戦し、特別合格。13日に行われたドラフト会議で、徳島インディゴソックスが8位で交渉権を獲得した。
ドラフト会議後、徳島の南啓介代表取締役から直接、「一緒に頑張ろう」との連絡が。「スタートに立つことができたことが本当に嬉しかった」と振り返る。
野球漬けから一転
叔父、父親とも野球が好きという「野球一家」に生まれた伊藤選手。物心がついたころにはボールを握っており、父親から厳しく野球を叩き込まれたという。
中学の頃は相模原リトルシニアに所属。2年の頃には、エースとしてチームを全国の舞台に導いた。しかし大会を前にして、肘の疲労骨折に見舞われる。エースの座も明け渡すことになり、苦汁をなめた。
中学卒業を前に強豪校から声がかかるも、家庭の経済状況を理由に進学を断念。戸塚区内にある建設関係の会社に就職し、しばらくは野球から離れる生活を送っていた。
再びエースへ
マウンドに戻るきっかけは18歳の春に見た、甲子園のテレビ中継だった。映っていたのは、中学時代に対戦した選手も在籍する横浜高校が活躍する姿。野球を離れた悔しさと共に、「自分にもできるはず」という思いが膨れ上がった。
その頃に知ったのが、友人が所属していたエマノンだった。入団直後は「以前のように体が動かず、大変だった」と苦笑する。しかし何よりも、マウンドに戻れたことが嬉しかった。
それ以来、合間を見つけては筋力トレーニングに励んだ。「のびのびとやらせてもらった。そのおかげで成長できたと思う」と話す。今年の春からは、エースを任されるようになった。
178cm、82kg。がっちりとした体格が印象的だ。「強みは特にない。まだまだこれから」と謙虚。「あえて言えば、強い相手でも『どうしよう』と考えずに向かっていけること」と話す。エマノンの小池章夫監督は「徳島の方とは『将来的に150Km/hを目指せる選手』と話している。直球に加え、変化球で勝負できる選手に育ってくれれば」と背中を押す。「実は緊張しいの性格。でも、その緊張感は大切にして欲しい」
悔しさをバネに
エマノンは地域貢献を大切にしており、今年はとつか夏祭りの日にゴミ拾いを実施。伊藤選手も参加した。「育ててくれた方や地域への感謝を忘れないようにして、将来は戸塚を代表するような選手になりたい」と瞳を輝かせる。
伊藤選手は現在、プロ入りに向けて、「体の柔軟性」を重視したトレーニングに励む。体を上手に使うため、そして「ケガをしにくい体づくり」のためだ。「練習に参加できないのは、本当に苦痛なことだと知っているから」。青春時代に味わった悔しさをバネにして、プロ野球の世界へと大きく羽ばたく。
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