庄戸在住の横浜高校3年生・乙坂智選手が、10月27日に行われたプロ野球ドラフト会議(新人選手選択会議)で、横浜ベイスターズから5位指名を受けた。栄区から地元プロ球団の新星が誕生する―。
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ドラフト会議当日、チームメートらと同校合宿所の食堂に集まった乙坂選手はパソコン画面の速報を緊張した面持ちで見守った。同じプロへの道を志したチームメート・近藤健介捕手が北海道日本ハムファイターズから4位で指名を受けた20分後、乙坂選手の元にも吉報が届き、仲間にもみくちゃにされながら歓喜した。
葛蔵造校長と臨んだ記者会見では、「今日は不安な気持ちしかなかった。こうして近藤とプロ入りできるのは本当に嬉しい」とホッとした表情。「横浜は地元。スタジアムには小さいころから足を運んできた」と憧れの球団からの指名を喜んだ。これからについては、「自分の持ち味は全力プレー。ファンに生きる力を与えるような選手になりたい」と話し、「まちを歩いていると、『甲子園おつかれさま』『勇気をありがとう』と地域の方が声をかけてくれた。そんな皆さんに恩返しをしたい」と地元ファンへ呼びかけた。
駆けつけた乙坂選手の父・ロバートさんと母・陽子さんは、「まだ信じられない」と興奮さめやらぬ様子。「本当に野球しかない子。みんなに愛される選手になってほしい」と期待を込めた。
横浜で培った野球センス
乙坂選手は旧・上郷南小(現・庄戸小)1年生の時、少年野球チーム「オール上郷」で野球を始めた。当時同チームの監督として乙坂選手を指導した米村淳さん(若竹町在住)は、「飛び抜けていたわけではないが、足が速く、打撃センスがあった。未完成な分、先が楽しみな選手だった」と少年時代の印象を語る。プロ入りに向けては「びっくりしたが、嬉しい。高校生からプロは大変だと思うが、1軍でも2軍でも球場に足を運んで応援したい」とエールを送った。
庄戸中時代は、現在中日ドラゴンズで活躍する森野将彦選手らがOBにいる「中本牧シニア」で活躍。全国屈指の野球の名門・横浜高校に進学し、1年生の秋、1番右翼手としてレギュラーの座を掴んだ。
3年生となった今年は、主将としてチームを牽引。甲子園出場をかけ、桐光学園と戦った夏の神奈川大会決勝では、「最後に校歌を歌うのは俺たち。気持ちでは絶対に負けない」とチームメートに呼びかけ、延長10回の裏、近藤捕手の適時打で自らが本塁に飛び込み、サヨナラ勝ち。全国大会への切符をもぎ取った。
次なる舞台は憧れの「横浜ベイスターズ」。50m5秒9の俊足と広角に打ち分ける打撃スタイル、強い気持ちを武器にプロの世界で輝きを放つ。
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