横浜市会 超党派でがん条例制定へ 再来年春の成立目指す
横浜市会の超党派で構成する「がん撲滅横浜市会議員連盟」が、再来年春を目途に議員立法で「横浜市がん撲滅対策推進条例」(仮称)の制定に向けて動いている。市民の検診受診率の向上や市内の医療体制の充実化を目指すもので、先月末から条例内容に関する市民からの意見募集も始まっている。
24道府県8市区町で先行
がん撲滅横浜市会議員連盟(通称がん議連・田野井一雄会長)は2006年11月に設立され、横浜市会の各会派有志78議員が参加する(定数86)。市内での高度最先端医療の充実化やがんの予防・早期発見の促進等を目指すもの。横浜市会ではこれまで、議員立法で6件の政策的条例が制定されている。
がん対策条例は神奈川県を含め全国24道府県、8市区町で制定されている(13年3月現在)。それぞれが行政・保健医療従事者・市民の責務や、在宅医療・緩和ケアの推進などを定めている。
京都府の例では「責務が明確化されたことでより積極的に施策を打ち出せるようになった」と担当者は話し、「がん総合相談支援センター」を設置するなど条例が対策の追い風になっているという。
市会のがん議連では類似の内容を盛り込みながら、市大など医療体制の充実や人材育成等、横浜独自の施策に繋がる内容にしたい考えだ。田野井会長は「横浜でも全国同様、市民の死因1位はがん。これまでも検診の無料クーポン券などを発行してきたが、全体の受診率は30%程度。条例を作ることで、市民への一層の意識啓発になれば」と話す。
市民から意見募集
横浜市では昨年度に保健医療の総合5カ年計画などを策定し、受診率については16年までに胃・肺・大腸がん検診で40%、乳・子宮がん検診で50%を目指している。がん議連では「条例制定により目標が達成されるかチェックできる体制も構築できれば」としている。
がん議連では9月末から市民アンケートも実施。広く意見を募集しながら素案を策定し、今任期中の再来年春までの成立を目指す。
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