ネパリバザーロ “被災地産”を化粧品に 雇用・販売網拡大で支援
ネパールとのフェアトレードを続けている小菅ケ谷の「ネパリ・バザーロ」(土屋春代代表)が、東日本大震災の被災地・岩手県陸前高田市に椿油の製造工房「椿のみち」を開設して1年余。同所で製造した椿油に被災地の特産物のエキスやネパールのハチミツを加えて開発した化粧品が完成し、販売に乗り出した。
今回販売するのは化粧水、クリーム、シャンプー、コンディショナー、リップ&スキンバーム、固形石鹸(12月発売)の6種。それぞれに椿油、用途や効果に応じて三陸のワカメエキスや陸前高田の自根きゅうりエキス、大船渡・陸前高田のゆずの種子エキスなど東北の素材やネパールのハチミツを配合している。
”共に生きる”の思いを込め、商品名はエスペラント語で「共に」という意味を持つ「Kūne(クーネ)」に。あーすぷらざ内のショップ「ベルダ」や通信販売などで取り扱い、今後は岩手生協などでも販売される予定だ。
国内版フェアトレード
当時勤務していたスタッフの実家が被災し、土屋代表らが被災地を訪れたのは震災から15日後の2011年3月26日。各地を回り、被災状況を把握して以後、物資支援を重ねた。
そんな中、陸前高田市にいる顧客から支援の申し出を受け、現地へ。これまで21年間にわたりネパールで雇用機会を創出し、適正な対価を支払って経済的な自立を促してきた「フェアトレード」の経験を被災地でも生かせないかと、気仙地域伝統の椿を使った「椿油プロジェクト」をスタートさせた。
地元の賛同も受け、昨年10月には拠点となる精油工房が完成。高齢や家族の介護などを理由に企業等への就職が難しい仮設住宅に暮らす女性を雇用し、現在は6人が就労している。
この1年間で製造した椿油は1・2t。主に食用として販売し、生産が追い付かないほど好評を得ている。2年目は化粧品にも配合するため、2・5tを目標に掲げ、雇用拡大もねらう。
化粧品開発にあたっては、より支援を広げようと、成分として有効な被災地の特産物を調べ、生産者を訪問。思いを聞いて素材を厳選した。また、ネパールのハチミツも取り入れることで、被災地とネパールをつないだ。品質は「オーガニックに近く、専門家も驚くほど。特に保湿力が高い」と土屋代表は話す。
区内で活動報告も
11月17日(日)にはこうした活動の報告を午後1時30分からあーすぷらざ映像ホールで行う。内容は土屋代表や椿のみち工房長らによる話や質疑応答、コンサート等。参加費は500円で定員は120人。5時30分からは椿油を使った料理やネパールのスパイスが効いたカレーの試食、椿の実の選別を体験できる試食&交流会もある。1000円、定員50人。参加希望・詳細はネパリ・バザーロ【電話】045・891・9939。
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