「聞こう!学ぼう!かけっこ教室」で講師を務めた 吉田 孝久さん 栄区出身 44歳
世界で跳んだ経験伝える
○…栄公会堂と栄スポーツセンターで行われた小学生向けのかけっこ教室。かつて走り高跳びの選手としてシドニー五輪など世界の舞台で戦ってきた経験を、地元の子どもたちに伝えた。「地元に戻ってくることもあまりなかったので、声をかけて頂いて良い機会だった」。初めての地元での指導を終え、笑顔を見せる。
○…栄区出身で、陸上部に入っていた姉の影響から庄戸中で陸上部へ入部して走り高跳びに取り組んだ。当初はあまり練習していなかったというが、「その時一番強い人をまねて跳んでいたら、跳べるようになった」と3年時には全国大会へ出場。早くから才能を発揮した。高校は地元の上郷高校(現横浜栄高校)へ。入学と時を同じく、走り高跳びをやっていた先生が赴任し、本格的に練習に取り組むようになった。そして、高校総体で当時の大会記録を樹立。「全国へ行ったことで、学校外の世界が広がって楽しかった。そこから陸上も好きになっていった」
○…筑波大学へ進学すると、在学中からアジア大会や世界選手権へも出場した。卒業後はミズノへ就職し、1993年には当時の日本記録の2m31cmをマーク。翌年のアジア大会では王者に輝き、2000年にはシドニー五輪へ出場した。「(五輪出場の)チャンスは92年と96年にもあったが、2000年でようやく」。念願の五輪出場を果たしたが、結果は振るわず予選落ち。「自分の中で大きくし過ぎてしまった。構え過ぎちゃったかな」と原因を分析する。
○…現在は日本女子体育大学で准教授として勤務。コーチングやトレーニングについて授業を行う傍ら、陸上部やトップ選手の指導を行うなど多忙な日々を送る。指導する立場となり、「海外で試合をするのが当たり前の状況になれば、日本人ももっと活躍できるんじゃないかな」。これからも自身の経験を後進に伝え、次世代の選手が世界で活躍することを願っている。