港町・ヨコハマのイメージは世間に根強く、横浜の中でも海沿いエリアでの撮影申し込みは多い。今年に入ってからも2016年1月公開予定の映画「さらばあぶない刑事」などの撮影が行われており、港湾局が中心となり対応している。
横浜の海沿いには、赤レンガパークや臨港パークといった一般に開放されている施設のほか、山下・本牧ふ頭など港湾エリアには一般人の立ち入りを禁止しているエリアもある。同局担当者は、「市民利用施設では、散歩やジョギングといった市民の利用を妨げないこと、港湾エリアでは船の着岸や荷揚げなど、港本来の機能を妨げないことが許可の条件」と話す。
同局では、撮影まで1週間を切る様な急な申し込みでない限り、受け付けた撮影は日時や場所を工夫してほぼ実現している。また撮影実績(静止画含む)は、09年度の約750件から14年度には約1300件と増加傾向で、その背景には象の鼻地区など「施設が新たに整備されたことも一因になっているのでは」と担当者は分析する。またリピーターの利用も多数だという。
同担当者は、「撮影者のイメージの中で必要な画が、横浜にあるかどうかがポイント」と冷静に状況を見つつ、「横浜を象徴する『港』に市民が関心を持つ一つのきっかけになれば」と期待も込めている。
「撮影しやすい環境を」
撮影者に対してロケ地の手配などを行う(株)パシフィックハウス=中区=の持田慶太代表取締役は、「市港湾局の撮影対応は全国でも評判。段取りがスムーズなだけでなく、撮影者に対する理解があるように思う」と高く評価する。
一方、市内の公園では夜間の撮影に制限がかかる場合も多いという。持田氏は「行政全体を見ると映像表現に対してまだまだ慎重すぎる面がある。FC(フィルムコミッション)などが権限をもって対応しなければ、映像を通じた横浜のPRというものは広まらないのでは」と指摘した。(了)
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