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六浦南佐藤さん 柔道着を比(フィリピン)に寄贈 3年目、現地で指導も

文化

公開:2014年4月24日

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現地で指導にあたる佐藤さん(前列左から3番目)
現地で指導にあたる佐藤さん(前列左から3番目)

 六浦南出身の佐藤浩良さん(66)は、2012年から使わなくなった柔道着を集め、フィリピンのネグロス島の住民に贈っている。今年も集まった柔道着とともに、6月に現地へ渡り、柔道を指導する予定だ。

 柔道着は横浜高校の卒業生から寄せられたもの。毎年、15から20着ほど集まるという。現在、佐藤さんがフィリピンで柔道を教えるのは高校生30人と地元ガードマン50人。「(柔道着を持って帰ると)すごく喜んでくれる。数が限られているため、取り合いです」と苦笑いする。即席の道場はマットを敷いた体育館。「マットはすべるので、本当なら畳がいい。今後は畳も持っていけるようにしたい」

 練習は必ず正座、黙想、お辞儀をしてから、実技に入る。「日本の礼の心を伝えられれば。生徒は日本と違い、みんな一生懸命。成長が楽しみ」と目を細める。週1回の高校生の練習日、佐藤さんは自腹で生徒30人分のパンとジュースを買う。「貧富の差が激しいので、朝食が食べられずに練習に参加する子もいるから」。自身が警察官OBということもあり、青少年の育成に柔道が役立てばと願う。ゆくゆくは現地警察官にも教えていきたい考えだ。

 佐藤さんがフィリピンへ渡ったのは6年前。前妻を突然の病で失い、失意の中で出会ったフィリピン人女性と再婚したのがきっかけだった。1年のうち半分を日本で、残りをフィリピンで過ごす生活。最初に教えていたのは柔道ではなく胴着のあった剣道だった。「でも本当に教えたいのは柔道」――柔道着を求め、悩む日々が続いた。

 そんな中、帰国した際に横高のPTA会長(当時)を務めていた高橋徳美さんと出会う。高橋さんは「柔道着が欲しい」との相談を受け、横高卒業生から寄せられたリサイクル制服の中に、柔道着があったこと告げる。「卒業後も柔道着を使用する生徒はほんの一握り。制服と一緒に柔道着も募ればもっと集まるはず」と協力を惜しまなかった。

 柔道着の寄付は継続して募集中。「金沢まごころの会」(【電話】045・370・8165)で受け付ける。

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