富岡中青木さん フィギュア界に期待の星 国際B級大会で優勝
富岡中学校1年の青木祐奈さん(12)が3月16日、五輪選手の登竜門的大会、フィギュアスケートの国際B級大会「クープ・ド・プランタン」で優勝した。5月19日にはトロフィーを携え、横浜市の柏崎誠副市長を訪問。スターの道を歩み出したフィギュア界の新星は、五輪優勝の夢に向けきょうもリンクに立つ。
トリノ五輪で銀盤を舞う荒川静香選手に魅了され「いつかわたしも」と夢見た4歳の少女――。わずか8年後、世界の大舞台でトップに立った。荒川選手が国際大会で初出場、初優勝を飾ったのも12歳。奇しくも同じ年齢での快挙だ。
ルクセンブルクで行われた同大会、10歳から15歳の部で臨んだSP(ショートプログラム)は1位。最終滑走のFP(フリープログラム)では前半、「練習では失敗していた」という3回転―2回転を含む4種類の連続ジャンプ全てを成功させた。「緊張していたが、自分ができることをできればと思っていた」と勝負強さを覗かせる。流れに乗り、のびのある滑りで観客を魅了。最後の3回転では転倒するも「手をつくのをこらえ大きな減点にはならなかった」と話す。
演技を終えると20人もの人に囲まれ、初めてのサインも経験。優勝の瞬間はその中で迎えた。「驚いたけど嬉しかった」。しかし表彰台に立つとミスの悔しさが蘇ってきた。「優勝するならパーフェクトで」。最高位に立ちなお、心に誓った。
朝3時半起床でリンクへ
5歳でスケート靴をはいて以来、神奈川スケートリンク(神奈川区)で練習を重ねている。現在は、火曜日以外はリンクの上。朝3時半に起床すると登校までの1時間で滑り、学校が終わるとリンクに直行。夜9時近くまで練習は続く。唯一練習のない火曜日も、バレエ教室で身のこなし方を磨いている。母親の美和さんは「頑張り屋。どんなに遅く帰っても宿題は意地でも終わらせる」と話す。
その性格は練習でも発揮される。走り込みでは必ず1位。「抜かされそうになると加速。できないことが悔しいみたい」と美和さん。西富岡小学校4年時で参加した金沢区ロードレースでも準優勝に輝いたほどだ。
多忙な日々でも地元に戻れば中学生の女の子。「公園で鬼ごっこしたり、能見台にプリクラを撮りにいったりして遊んでいる」とあどけない笑顔を覗かせる。体重コントロールのある今、スイーツの食べ放題は試合が終わった後の楽しみだ。
次の目標の全日本選手権優勝に向け再スタートを切った。4回転ジャンプにも挑戦を開始。憧れはロシアのユリア・リプニツカヤ選手(15)だ。「スピードも速いし表現も上手い。ジャンプも高い」。目標が、遠い存在だった荒川選手から、等身大に近づきつつある。
2018年の平昌五輪は16歳で迎える。「夢は五輪での金メダル。見ている人を笑顔にできるスケーターになれたら」。にっこり笑ったその先に未来を描く。
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