柳町の住宅地中央にある円形の交差点で3月20日から、新しい交通ルールの適用が始まった。新ルールで規制される交差点は「環状交差点(ラウンドアバウト)」と呼ばれる。昨年9月の改正道路交通法の施行に伴い、神奈川県内で初めて導入された。
環状交差点は一時停止の標識がなく、車両は徐行で進入後、時計回りに通行しなければならない。交差点への進入時はウインカー操作の必要がないが、希望する道路に出る際は、左側のウインカー表示をしなければならない。
昨年9月の改正道路交通法施行まで、円形の交差点を規制する交通ルールがなく、車両が逆時計回りをした場合は道交法上の問題はなかったが、今後は違反として取り締まられる。
事故抑止に期待
柳町の円形交差点は1966年の宅地造成に伴って作られた。中央に彫刻家の清水多嘉示製作の「母子像」があり、町内のシンボルとされている。柳町内会の富川清会長(77)は「景観の良い住宅地を作るために、このように珍しい交差点が作られたのでは」と話す。
柳町住民にとっては「慣れ親しまれた」道路だが、「初めて来る人にはわかりづらかったと思う」と富川会長。今回、道路標識が新たに設置されることでルールが明確化され、「事故の恐れがより減ってくれれば」と期待を寄せる。富川会長によると、これまで人身事故の記録はないが、逆時計回りに進入する車が時折見られたという。
欧米で積極的導入
国土交通省は2013年から、環状交差点の導入に向けた検討を進めてきた。
導入のメリットとして、まず交通事故の削減があげられる。構造上、車の速度が抑制できるほか、右折対向車と直進車の衝突を防ぐことができる。
また信号機が必要ないため、維持管理の費用を軽減できるほか、震災などで停電した際にもスムーズな通行ができるなどのメリットがあり、欧米諸国では積極的な導入が進んでいる。
同省の発表資料によると、国内の円形交差点は138カ所。このうちすでに新ルールが適用されているのは36か所だ。新ルールの適用が進んでいない背景には「一時停止の廃止に対して地域住民などが懸念を示すことなどがあげられる」と県警交通規制課の担当者は話す。県内では来年度中に港北区新横浜で導入が予定されている。
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