横浜創学館高校吹奏楽部が8月8日、神奈川県吹奏楽コンクールで金賞に輝き、さらに創部以来初めて、最高賞の朝日新聞社賞を受賞する快挙を達成した。現在は9月の東関東大会に向け、部員の心を一つに練習に励む。
悲願の最高賞だった。「1位をとるために頑張ってきた」と町田瑛里奈部長(3年)は話す。昨年1位通過した、横浜市大会では3位。「次は絶対良い成績をとりたいと悔しさをバネにした」
迎えた県大会当日。「練習は本番、本番は練習のように」のモットーのもといつも通りの演奏を披露するも、最高賞を諦めるムードが漂った。次々に金賞校が読み上げられる中、泣きながら祈る部員の姿も。「表彰式の方が緊張した」と、演奏分野でまとめる学生指揮者の木下恵利さん(3年)は振り返る。だが終盤、最高の場面で呼ばれた自校の名前。ついに30人編成の高等学校B部門で、全36団体の頂点にたった。涙を流して喜び合った。
「逆境こそチャンス」
市大会の10日前、校舎の耐震工事が始まり普段通りの練習ができない日々が続いた。8つほど使えていた教室は1室になり、1日の練習は半日に。他校で練習する日もあった。「でも逆境こそチャンス。前向きに、を合言葉にしてきた」と町田部長。当初は慣れない環境での演奏に不満を口にする部員もいたが、この言葉をかけ合いまとまってきたという。「追い込んで練習した」と話すのは木下さん。体育館が使える日は、2m間隔で並び、隣の音が聞こえない状況下で音を合わせるなど工夫を凝らした。これが本番、音の響きにくいホールで奏功したという。
「私たちの強みは音量のあるパワフルな演奏」。他校と差をつけるため、強みを伸ばしつつメリハリの効いた合奏を目指した。毎日、演奏を録音し、各々が聴き直して課題を克服。「パートごとに自主的に集まって修正することも」。研究を重ねて掴んだ頂点だった。
9月12日(土)には千葉県で東関東大会に臨む。「1位をとっても油断できない」と気を引き締める町田部長。県大会で課題となった表現力を重点に練習に励む。「家族よりも長くいる仲間。皆の個性がまとまれば力に変わる」と朋友を信じる。
目指すのは、その次に控える東日本大会だ。「毎年1点に泣いて出場できない」と木下さん。「たった1点だけどそこに足りないものがある。それを埋めて万全の態勢で臨みたい」。集大成に向け、心を一つにする。
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