中小の製造業が自作のコマを戦わせて技術を競う「全日本製造業コマ大戦」の若者向け大会が2月13日(土)、昭和精工(福浦)で初めて開催される。全国から16チームが出場し、頂点を目指す。企画・運営するのは、同社の若手社員からなるプロジェクトチームだ。
コマ大戦は、中小の製造業を盛り上げようと全国規模で実施。参加企業は、それぞれ工夫を凝らした直径2cm、全長6cm以下のコマを製作し、土俵で競わせる。昨年2月には初めて世界大会が開催された。
初開催の「コマ大戦フレッシュマンズカップ」は「日本の未来は俺達が回す」というテーマで行われる。
ものづくりを楽しむ
コマ大戦は通常、ベテラン技術者の参加が多い。しかし今回の参加資格は「勤続3年未満かつ30歳未満」または「学生」限定にした。プロジェクトチームのリーダーを務める加納俊介さんは、「『日本は製造業で成り立っている』という思いがある。若い技術者どうしが交流する機会をつくり、中小企業を盛り上げるきっかけにしたい」と意気込む。
昭和精工は毎年、研修の一環として新入社員が出場。加納さんも、入社した2013年に初参戦した。
会場で見たのは、ものづくりを心から楽しむ技術者の姿だった。「バネの被り物をして笑いを誘ったり、出会った企業同士で事業を起こしたり。技術者のふれあいの場だと思った」。そして試合が始まれば、プライドが激しくぶつかりあう張りつめた空気に変わる。「コマ大戦は、会社の中だけではわからないことを学べる場所」と話す。
仲間意識の向上にも
「参加を通して、同期の仲間意識が強くなった」と振り返るのは、14年入社の高梨真帆さんだ。
コマをいかに強くするかという目標に向かって、5人の新入社員が意見を出し合い、何度も試行錯誤した。その中で徐々に気持ちが通じあうようになったという。「そうした経験を、他社の若手社員や大学生にも実感して欲しい」と話す。
今回のコマ大戦では、試合のほかに、出展企業のブース設置やセミナー、同社の工場見学を企画。加納さんは「参加者に『自分たちも開催したい』と思って貰えると嬉しい」と話す。
「全日本製造業コマ大戦協会」の緑川賢司会長は「新人の職人が、モチベーションを持つきっかけにしてほしい」と期待を寄せる。また今回初めて金沢産業団地内でコマ大戦が行われることをうけ、福浦で製造業を経営している緑川会長は「団地の活性化につながる大会になれば」と話した。
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