能見台小学校(山崎信也校長)4年3組の児童は3月11日、保護者らを招き、2分の1成人となる10年間の感謝を伝える会を開いた。ふるまわれたのは「横浜産にこだわった」サンドウィッチ。この日のために1年をかけて準備した成果が形になった。
「下級生からも上級生からも頼られる”おいしい具”に」――。学年目標に掲げた「サンドウィッチ」を作り、親やお世話になった人をもてなそうと始まった企画が、地域を巻き込む大プロジェクトになった。
「まずはパンや野菜の調査から始めた」と担任の荒井真妃教諭。JA横浜に所属する内田勝俊さんを招くと、横浜産小麦の「ユメシホウ」を知ることに。小松菜など全国1位を誇る野菜も多く、農業の盛んな地域ということも分かった。すると「せっかくなら横浜産にこだわりたい」と児童の意見が一致。「市場に出回らない小麦で、パンを作るのは初めてのことと、内田さんも協力してくれた」。総合学習の時間を使い、横浜産食材を集めたサンドウィッチ作りが本格化した。
初秋には小松菜とルッコラを栽培。秋の学習発表会で試作会をするため、野菜を練り込んだパン作りも研究した。「炊飯器で焼いたり、栄養士にこね方を教わったり何度も試行錯誤を重ねた」と荒井教諭。約300人に試食やアンケートを実施し、小松菜入りのパンを採用した。
次に、内田さんの助言を得ながら中身の具を思案。育てたルッコラのほか、ベーコンやイチゴまで横浜産で揃え、野菜の炒め物、ポテトサラダ、ジャムに決定した。「農家の少ない金沢区でこれだけ横浜産野菜を集結でき、食べてもらえて嬉しい」と内田さんは喜ぶ。
「故郷に愛着を」
パン作りのコツを聞きに児童が訪れた、「横浜パンの家」(富岡西)も会当日に参加した。同店が焼き上げた小松菜入りのパンが給食として全校に提供されるという粋な演出も。24日(金)には児童が店頭に立ち、このパンが販売される予定だ。
まさに地域と歩んできた企画。荒井教諭は「都会のイメージが強い横浜に捉われない授業ができた。故郷を深く知って愛着を持ち、手作りをふるまう喜びを経験できたのでは」と話した。
「粘土でこねる練習をしてきた。今回が一番おいしくできた」と話すのは山住千香子さん。母親の早苗さんは「長い時間をかけて勉強したのを見てきた。完成度の高いおいしさに驚き、発表の場を見られて良かった」と話していた。
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