金沢区制70周年記念連載 「地元の歴史 振り返る」第5回 富岡八幡宮と長浜千軒 文/NPO法人横濱金澤シティガイド協会本コラムでは2018年に金沢区が区制70周年を迎えるにあたり、シティガイド協会の協力を得て、地元の歴史を振り返る
富岡八幡宮は一一九一年、鎌倉幕府が災難を避けるため兵庫県にある西宮神社の蛭子尊を源頼朝が迎えて祀ったのが始まりである。36年後、お祭りの日に旅の僧がある家を訪れ、麦の酒をご馳走になり、僧は立ち去るときに「我は八幡大菩薩の化身である、我を祀り信仰すれば村は災厄から守られるであろう」と言った。村人はすぐに社を建て、お祀りした。以来、お宮は富岡八幡宮になった。
一三一一年当時あったという長浜千軒という大きな漁村を大津波が襲い、一夜にして跡形もなく流失したという。この村の寺にあった本尊が身代わりとなり漁民を救ってくれたので、一人の死者を出すことがなかったと言われる。数十年後、この本尊は柴の漁師の網にかかり現在、称名寺の金堂に祀られている。この仏様は「長浜観音」とも「海中出現観音」とも呼ばれる。この津波で全く被害を受けなかった富岡村の人々は、八幡宮の加護によると考え信仰を篤くし、以来、富岡八幡宮を「波除八幡」とも呼ぶようになった。
九月の例大祭の宵宮では七ケ町の万灯神輿が境内に揃い、各町内への巡行が始まる。また、7月の祇園舟神事は八〇〇年以上の歴史を持ち横浜市の無形文化財に指定されており、神事に使われる奉仕船は五丁櫓の和船で、昨年80年ぶりに新造船が進水した。
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