神奈川県経営者福祉振興財団が主催する「かながわ産業Navi大賞」の表彰式が9月10日に行われた。区内の企業からは「フロンティア部門」でアールテック(福浦/真鍋緑朗代表)が優秀賞に選ばれた。
同社は医療の現場で使うX線の発生装置や、診断するための装置を開発・製造している。今回、日本で初めて動物用の「デジタルラジオグラフィー装置」を開発したことが評価された。
現場の声を形に
「デジタルラジオグラフィー」とは、X線画像をデジタル化し、モニターに映し出すシステム。かつてX線画像はフィルムが一般的だったが、近年は一般の大手病院を中心にデジタル化が進んでいた。
この波に乗れないのが、動物病院だった。国に認可された動物用デジタルラジオグラフィー装置は存在せず、「動物病院から困っているという声が届いた」と真鍋代表は話す。
同社はそうした声に応えようと動き出した。動物診断に適した操作や画像処理ができるよう、専門医の指導を仰ぎ3年をかけて装置を開発。また中小の病院でも導入できるような安価を目指し、大手商社を通さず、自社製品として販売を始めた。真鍋代表は「特に認可の面などで苦労が多かったが、X線装置を通して世の中に必要なものを提供するという使命をぶらさず、現場の困っていることにチャレンジしたい」と話した。
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