栄区田谷町の定泉寺境内にある「田谷の洞窟」。豪雨などの影響から風化・劣化が進むこの洞窟を後世へ残そうと、市民と同寺が協力して洞窟内部を3DスキャンしてVR(仮想現実)データで保存する取り組みを進めている。
この洞窟は、鎌倉時代から存在する真言密教の修業道場。全長約570mで複雑に入り組んだ構造となっており、内部の壁面には仏像や生き物、種字(梵字)曼荼羅などの模様が掘られ、横浜市の地域史跡として登録されている。
保存活動は栄区飯島町出身の田村裕彦さんと、同寺の渡辺隆人副住職が協力して企画。建築設計事務所の代表を務める田村さんが2年前にこの洞窟の補修工事に携わった際に、同寺の総代から相談を受けたことをきっかけに始まった。
内部は近年のゲリラ豪雨などの影響で壁面が剥がれ落ち、約800年の歴史を持つ遺構が少しずつ傷ついている。同寺ではこれまでにも補修を行ってきたが、複雑な構造のため技術面・予算面ともに維持管理は難しく、今後も洞窟の状態を保っていくことは困難な状況だという。
そこで内部を3Dスキャンして洞窟の構造をVRデータとして保存することを考案した。まずは専門家などの意見を聞きながら内部を細かく調査し、必要な精度の3Dスキャンを行う計画だ。
「小さい頃に来たことはあったが、改めて見ると高度な技術でできている。それがここまで保存されているのは貴重」と田村さん。VRデータ化することで、高齢者や体が不自由で洞窟に入りにくい人にも内部を見てもらえるようになることが期待できるという。
4月29日まで資金募る
計画を実行するために田村さんたちは現在、120万円を目標にインターネットを使って資金を募るクラウドファンディングを行っている。4月29日(土)まで。
渡辺副住職は「環境の変化などもあり風化は止められない。一度崩れたら元には戻せないので、なるべく早くデータとして後世へ残せれば」と話している。
詳細や問い合わせは田村さん(【メール】tytamura2@nifty.com)まで。
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