11月26日に衆議院で可決された「特定秘密保護法案」。国民の知る権利を害する恐れがあるとして、一部では反対の声が上がる。この法案が成立すると、一般市民にどのような影響が考えられるのか。
反対の姿勢を明確にする横浜弁護士会(仁平信哉会長)の憲法問題協議会、石黒康仁委員長に同法案について聞いた。
範囲は際限なし
石黒氏は、今法案で特定秘密の対象とされる外交・防衛・スパイ・テロリズムに関して、秘密が伴うことには理解を示しつつも、その定義があいまいで、秘密の範囲が際限なく広がる可能性を指摘する。
そうなると、主権者である国民に十分な情報が伝わらず、国にとって都合のよい情報だけが提供される恐れがある。取捨選択できる情報が限定されることから、選挙にも影響し、「健全な民主主義が機能しない危険性もある」と懸念する。
国からコントロール
一般市民への影響として石黒氏が最も危惧するのが委縮効果だ。
例えば、脱原発や基地被害の撲滅などの市民集会に参加すると、「国から監視される」と家族や同僚などから言われ、不安になり、活動を控える効果が生まれる。結果、国から間接的にコントロールされることになるというのだ。
「国によって、国民がコントロールされているという実感は、なかなかわからないもの」と石黒氏は話す。
自分の問題と捉えて
このような主張に対し、「杞憂」「考え過ぎ」という指摘が与党側にある。
これに対し石黒氏は、同法案を読めば「国に国民がコントロールされていくことが想像できる」とし、「皆さんが自分の問題として捉えることができるか。憲法感覚や人権意識、つまるところ私たちの民度の問題です」と話した。
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横浜弁護士会は、11月14日付で「特定秘密保護法案に反対する会長声明」をホームページ(http://www.yokoben.or.jp)で発表している。
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