ノロウイルスなどによる「感染性胃腸炎」が横浜市全体で11月中旬から急増している。中区・西区も例外ではなく、両区とも第49週(12月2日〜8日)には、定点あたりの患者報告数が警報レベル数値の20を超えた。横浜市衛生研究所では手洗いなど、予防策の徹底を呼びかけている。
市衛生研究所の公表データによると、第49週現在、定点あたりの患者報告数が警報レベルの20を超えているのは、市内18区中、中区と西区を含む7区。
中区では、第47週(11月18日〜24日)に報告数10・50と前週の3・33の3倍に増加。西区でも第47週には5・67だった報告数が第48週には18・33と、こちらも3倍を超える伸びとなった。第49週には、中区で定点あたり警報レベルの20・00に、西区は市内で4番目に多い24・33の報告数となった。
過去5年では、市全体で第49週から2週ほどが報告数のピーク。両区の第49週における過去5年の報告数をみると、警報レベルを超えたのは西区の2008年と12年のみ。中区においては、報告数が同レベルに達したのは08年以降で今年が初めてとなった。
市衛生研究所では、「昨年と比べると流行の動きが遅い。今後も報告数が上がる可能性があるので注意が必要」と話す。
ノロウイルスなどの感染が原因とされる感染性胃腸炎は、下痢・腹痛・吐気・嘔吐などの症状があり、冬期に流行する疾患。
同研究所によると、吐物など同ウイルスがついた物が完全に乾燥しても、ウイルスが死滅する可能性は低く、粉末状になって舞い上がり二次感染にもつながる怖れがあるという。そのため、塩素系漂白剤で簡易に作ることができる「次亜塩素酸ナトリウム」を用いた消毒の徹底を呼びかけている。
消毒の他に予防策は、手洗い・便や吐物の適切な処理・食品の十分な加熱が重要とされている。
定期的に患者数を報告する定点医療機関は、市内92カ所あり、中区は4カ所、西区は3カ所。報告数は、1週間の患者数を報告定点数で割った平均値となっている。
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