防災情報の提供手段として注目されているコミュニティーFMを中区に開設しようと、現在、本牧地域の有志が中心となり準備を進めている。名称を「横浜マリンFM」として今年1月末にはホームページを開設、3月から試験的に自主制作番組をインターネット上で配信している。準備室の笹原延介代表(48)は、「2016年初頭に開局したい」と話す。
災害時に情報を
中区本郷町で音楽制作会社を経営する笹原さんが、コミュニティーFMの有用性を知ったのは2011年6月。笹原さんの会社に所属するミュージシャンのメンバーが、福島県出身ということもあり、震災前から福島のラジオ局などを訪れていた。
地震発生から3カ月、余震や放射線などの心配事がつきないなか、福島入り。そこで、ペットボトル販売店の紹介など身近な生活情報や防災情報を流す地域ラジオの役割に触れ、「災害に備え地域の需要に応えるための放送が中区にも必要だ」と考えたという。
コミュニティーFMに関する書籍を読みあさり、横浜マリンFMを構想、13年2月に計画をまとめた。今年1月末に開設したホームページでは地域の匠紹介や本牧の歴史などを配信する。
課題は資金
笹原さんは、大鳥小学校のPTA会長や少年野球のコーチ、また町内会の夏まつりに参加するなど、地域と接点を持ってきた。その縁から、地元の連合町内会長に同計画を提案し、各町内会に広がることで地域から理解を得ることに成功した。メンバーの紹介も得て、昨年夏には6人からなる準備室が立ち上がった。準備室では、現在、月1回集まり番組内容や今後の取り組みを検討している。
メンバーの一人、安田屋呉服店=本牧町=の羽生田靖博社長は、事業計画を読み「地域の情報を地域で循環させるためにも、コミュニティーFMは必要だと思った」と話す。
開局に向け「最大の課題は資金集め」(笹原さん)。開局に5千から6千万円、年間経費は4千万円前後と見込む。事業収入は広告と番組スポンサーを柱に検討。放送免許の取得や法人化を視野に2年後の16年初頭に「目立つ場所に」スタジオ開設を目指す。
コミュニティーFMとは、直径7から15Km(平地)の電波出力による小エリアのラジオ局。横浜市内には、「FMサルース」(青葉区)と「エフエム戸塚」(戸塚区)の2放送局がある。
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