横浜市は1月27日、2015年度予算案を発表した。一般会計の予算規模は1兆4955億円で、前年度比5・4%増の「積極型」予算となった。「未来を見据えて力強く前進する年」と位置付け、都市インフラや臨海部の再生・機能強化への積極投資のほか、防災・減災や小児医療費助成の拡大、中小企業・商店街支援にも力を入れている。
「都市間競争の激化や少子高齢化など、横浜の価値を高める投資を今しなければ」。林市長は会見で積極型予算の理由を力説した。
一般会計の歳入の47%を占める市税は個人市民税が増加したものの、税制改正に伴う法人市民税の一部国税化などの影響で1・4%減の7095億円を見込む(うち20億円を補正予算の財源として留保)。借金にあたる市債は前年度比14・9%増の1608億円で、市債依存度は10・8%となった。市債発行額をその年度の元金償還予算額の範囲内に抑える横浜方式のプライマリーバランスは06年から黒字を保ってきたが、188億円のマイナスで10年ぶりに赤字となった。
一方で歳出は、人件費や福祉・医療・子育てなどの経費である扶助費、公債費からなる義務的経費が8322億円と全体の55・6%を占め、6年連続で5割を超えた。
施設整備費には28・6%の大幅増となる2360億円を計上。横浜環状道路(339・85億円)や神奈川東部方面線(58・3億円)などインフラ整備のほか、15年度完了をめざす市立学校の耐震補強(53・67億円)や昨年の台風で被害の出たがけ地対策(5・41億円)など防災対策にも重点を置いた。また、国際競争力強化や客船受入のための総合的な港湾整備(104・5億円)や新市庁舎整備(1・3億円)など都心臨海部の機能強化、国際会議を行う新たなMICE施設整備(0・42億円)も進める。
子育て・子ども分野では、小児医療費通院助成を現行の「小学1年生まで」を10月から「3年生まで」に拡大(80・53億円)。待機児童ゼロ継続への保育所整備(53・47億円)や、市立中学校の「横浜型配達弁当」実施に向けた準備(1・81億円)、地域子育て支援拠点での個別支援事業など(7・62億円)を行う。
健康づくりでは「よこはまウォーキングポイント」などの拡充をめざし(3・07億円)、医療面では総合的ながん対策(1・5億円)などを推進。そのほか、中小企業融資(354・86億円)や商店街振興(2・13億円)など地域経済活性化を支援する。
予算案は現在開会中の市議会定例会で審議され、3月20日に議決の見通し。
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