横浜市は14日、中区本町に移転する新庁舎の基本設計を発表した。新庁舎は地上32階地下2階建てで高さ155メートル、延床面積は14万700平方メートル。実施設計を進めた上で2017年8月に着工し、当初計画どおり20年1月の完成、6月末の供用開始を目指す。
基本設計は新市庁舎整備基本計画をもとに、設計・施工を担う竹中・西松建設共同企業体(JV)の技術提案を踏まえて作られた。「従来型の公共工事は設計と施工を分けて発注するのが一般的だったが、新庁舎は一括発注の方式を採用した」と市総務局の担当者。工期短縮やコスト削減が見込めるだけでなく、設計段階から施工業者の独自技術や工法を反映できるメリットがあるという。
基本設計は基本計画に沿って具体化されており、新庁舎は地下を駐車場(約400台分)とし、1階から3階までの低層フロアはコンビニやカフェなどの商業スペースに加え、新たに「市民協働スペース」として講演会やワークショップに活用できる空間を確保した。また3階から8階までの中層フロアは議会部分となり、8階から31階までを職員が働く行政部分としている。最上階の32階には電気室、機械室を配置した。
耐震・省エネを重視
耐震性は国内最高ランクで、震度6強から震度7程度の大地震を受けても業務継続が可能なように免震構造と制振構造を組み合わせたハイブリッドな免震建築物。屋上には大型ヘリポートを備えるほか、太陽光パネル約1千枚を設置することで、一般家庭約30世帯分に相当する年間10万kWhの発電を見込む。
省エネの面ではさらに「高層階の窓は一般的に開閉できないことが多いが、JVの技術提案を受け、高層階でも外気を取り入れられる設計になっている」と市の担当者は説明する。これにより春・秋の空調負荷を減らすことが可能となり、機器の省エネ化とあわせて従来の高層ビルよりエネルギー削減50%以上を目指す。
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