人口の1割が外国人住民である中区は、このほど「多文化共生推進アクションプラン」を策定した(6月27日発表)。外国人の母語によるあいさつ運動など、具体的な22の取組が盛り込まれており、今後3年間で実施する予定だ。
この行動計画は、今年3月に横浜市が策定した「多文化共生まちづくり指針」を体現したもの。中区で多文化共生にかかわる全庁的な行動計画策定は初めて。
中区の人口のうち約11%が外国人であり=グラフ=、市内18区でその比率は一番高い(全国の自治体でも5番目)。また、外国人の転入割合が約5割で、初めて日本に住む人の割合が高いのも特徴だ。地区でみると割合が高いのが南区と接する第1中部(23%)と埋地(18%)、中華街を含む第2(17%)と続く。
このような現状から中区は、これまでも外国人の転入者向けに、ごみの分別をはじめとした生活の基礎情報を掲載した冊子を作成するなど、対策を行ってきた。その上で、「外国人とともに暮らすまち」のあるべき姿や必要な取組を整理・共有し、蓄積していこうと今回の行動計画を策定した。
この計画のポイントは、取組が具体的なところ。庁舎内の案内版表記に統一基準をもりこみわかりやすくすることや、外国人になじみがない国民健康保険や税金、防災について直接説明する出前講座の実施、また外国人の社会参加を促す自治会・町内会など地域と連携した交流会の開催など、新規12を含む22の取組が盛り込まれている。
計画策定にかかわった横浜市立大学の滝田祥子教授(多文化社会論)は、問題解決後のゴールのイメージを明確にすることで、職員がそこに向けて行動する「ボトムアップのプラン」と説明。その点で、様々な地方自治体から出された多文化共生プランと異なるユニークな内容と評価する。
日本語を教えるボランティアを行う女性は、今回の計画策定を評価しつつも「外国の方が話を聞ける場である『国際交流ラウンジ』の周知にもっと力を入れてほしい」と話していた。
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