アナログレコードがびっしりと並べられた壁をバックに、カウンターの中で崎陽軒のシウマイ弁当を頬張るマスター。2002年から10年間、崎陽軒のテレビCMに起用された中区山下町のジャズ喫茶「MINTON HOUSE(ミントンハウス)」が、先月にオープン39周年を迎えた。
当日は常連客をはじめ、崎陽軒のイメージソング「シウマイ旅情」を歌う遠峰あこさんら同店にゆかりのある著名人も駆けつけ、ともに39周年を祝った。同店の名物マスターで、通称「おいどん」として親しまれている川上裕朗さん(66)は「50人くらいかな、お店に入りきらないほど来てくれた」と嬉しそうに語った。
変わらない店
川上さんは1975年にミントンハウスを開店。今でこそ3500枚以上揃うレコードも、当時は250枚ほど。「もともとジャズには詳しくなくて、お客さんから聞きながら覚えた」という。店のメニューも徐々に増え、今ではジャズとともにお酒も楽しめる名店として知られる。
その一方で、木を基調とした店内は今まで一度も改装しておらず、内装は開店当時のまま。「CMに起用されたのも、ずっと変わらないところが崎陽軒の味と重なったからみたい」と川上さん。また「CMに出させてもらったり、漫画や小説に登場させてくれたり、そういうのもあって続けてこられた」と語る。
来年は40周年。常連客とともに既にイベントを企画中で、オープン記念日の4月20日前後に実施予定だという。「昔と変わらないって言ってもらえるのが何より嬉しい。カウンターに立てなくなるまで店を続けたいね」と話していた。
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