母乳育児支援コラム9 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈赤ちゃんは3日分の水と弁当を持つ〉
助産院で出産した娘は3日目に退院。翌日、助産師の家庭訪問を受けました。早めの退院でしたが「家族の声が聞こえる中で休めるので安心」だと言っていました。泣くたびに母乳を含ませている娘は「愛おしそうに、大切な宝を抱っこしている」ようでした。すっかり母親の顔になっていたのが印象的です。
「もう出ないよ。ぺちゃんこなのに…」と嘆いている娘に私は「赤ちゃんは、3日分の水と弁当を持って生まれてくるっていうからね」と伝えました。さらに「今は出ている量は少ないかも知れないけれど、『お母さんのおっぱいが飲みたいよ』って泣いているのだと思うよ。赤ちゃんがおっぱいを呼んでいるんだよ。おっぱいが出るようになるのは、お母さんと赤ちゃんの共同作業だね」と話しました。
4日目、おっぱいが張ってきた娘が「ありがとう。おっぱいを呼んでくれたんだね」と赤子に声かけをしているのを見て、胸が熱くなってきました。
何年後かに娘がおばあちゃんになった時、今度はあなたが自分の娘に同じような声かけをしてくださいね。
一時的に体重減
生後3日目くらいの時期は、飲むお乳の量より尿や胎便、水分の蒸発など、体から出ていくものの方が多くなります。そのため、一時的に生まれた時から5〜10%程度、体重が減少することがほとんどです。これを生理的体重減少といいます。生後1〜2週間くらいで生まれた時の体重に戻ります。10%を超えそうな時は脱水や黄疸・低血糖の心配も出てきますので、ミルクなどの補足が必要と指導をされることがあります。
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