南区が日本語の理解が不十分な外国籍の中学生向けの学習支援教室を始めて間もなく3年が経過する。区は来年度、外国に関係する小・中学生の支援強化を目指し、中区や学校などの関係機関と情報交換を行う会議を立ち上げる予定で、連携を深めていく。
今年2月末現在、南区には人口の約4%にあたる7653人の外国人が住む。このうち46%が中国人。以下、韓国・朝鮮人、フィリピン人と続く。南区役所によると、自身が外国籍か両親のどちらかが外国籍の小学生は約200人、中学生は約30人。中国、フィリピンに関係する子どもが多い。親の仕事の都合で急に来日し、日本語が十分に理解できないまま学校に通っているケースもある。
南区は2011年4月から、区内の市立中学校に通う外国籍や外国に関係する生徒を対象にした学習支援教室を始めた。横浜市国際交流協会が運営し、外国人支援活動を行う浦舟複合福祉施設内の「みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ」に依頼し、毎週火曜日に開催。希望して通う生徒に「サポーター」と呼ばれるボランティアがマンツーマンに近い形で日本語や数学、英語、理科などの学習をサポートしてきた。今年度は20人の生徒が登録。21人のサポーターが支援している。
外国籍の生徒が多い共進中の齋藤浩司副校長は「支援教室で日本語に親しむ土台ができる。とても心強い存在」と学校外のサポート施設の必要性を訴える。
現場の課題把握
南区は来年度、隣接する中区や教育委員会、学校などの関係機関が集まり、学校現場の課題把握や情報共有を行うネットワーク会議を開くことを計画している。これまでは、ラウンジ側と学校の間で児童・生徒の情報をやり取りすることはあったが、より多くの関係機関が連携することで、支援強化を目指す。
同会議の設置は中区が中心に呼びかけた。同協会が中区で運営する「なか国際交流ラウンジ」でも学習支援教室が開かれていることや横浜吉田中に南区の子どもが通っていることもあり、両区の連携が強化されることになった。会議の開催頻度などは未定だが、南区地域振興課は「学校現場の声や専門的な意見を直接聞ける場にしたい」としている。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|