六ツ川のNPO法人「スマイルオブキッズ」(田川尚登代表理事)が、医師らと連携して「子どもホスピス」建設のための準備委員会を8月15日に発足させた。今後、同委員会はホスピス実現に向けた広報活動などを進め、県内で2020年ごろまでの建設を目指す。
寄付1億円原資に
子どもホスピスは、重い病気や障害のある子どもが終末期などに家族らと一緒に過ごすための施設。
スマイルオブキッズ代表理事の田川さんは、1998年に脳腫瘍で6歳の次女を亡くしたことがきっかけで、難病の子どもと家族の支援を行う同法人を設立した。08年には、次女が治療を受けた県立こども医療センター(六ツ川)近くに患者の家族などが宿泊する施設「リラのいえ」をオープン。全国の家族に利用されてきたが「子どもの病気と家族への支援を、施設の延長線上に置きたい」という思いから、子どもが家族と一緒に充実した余命を過ごすホスピス建設への思いを募らせていた。しかし、ホスピス建設には約3億円の資金が必要で、実現に向けた具体的な取り組みは停滞していた。
転機となったのは昨年。障害者施設で働き、12年に亡くなった元看護師の女性の遺産1億円が代理人を通してホスピス建設のために寄付され、取り組みを後押しした。
家族の心のケアも
同法人理事と支援者である医師や福祉施設運営者、建設会社の経営者ら約20人で8月15日、準備委員会を発足。今後、定期的な会合を行い、場所の選定や音楽家よるチャリティーコンサートなどのイベントを通した資金集めなど、広報活動を具体化していく。
ホスピスは3〜5家族が生活できる施設にする予定。多目的ホールを設置し、デイサービスなど通所する子どもと家族を支援することも計画されている。
田川さんは「在宅医療支援のほか、心理カウンセラーなどが常駐するホスピスで、家族の精神ケアなどが期待できる」と話し、5年後をめどに県内の建設を目指す方針だ。
寄付などの問い合わせは田川さん【電話】090・1432・7694。
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